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業界動向 2019.10.16

「未来の都市」を考える ポケGO開発企業がシンポジウムを開催した理由

「ポケモンGO」で知られるナイアンティック(Niantic)は9月、米国最大の財団の一つKnight Foundationと共同でシンポジウムを開催しました。テーマは“Augmenting Cities: A Playful Path to Community(拡張する都市:コミュニティへの遊び心のある道)” 。人々、都市、そして技術の未来が、ARを通してどのように形成され、進化していくかを考えるのが狙いです。本記事では、Nianticの公式ブログよりその模様を紹介します。

セッションやARコンテンツ体験も

シンポジウムは2019年9月23日、24日の2日間にわたり、カリフォルニアのオークランド・ミュージアムで開催されました。招待者限定のイベントでしたが、多様なバックグラウンドを持つ150名もの参加者が集いました。ナイアンティックのCTOやアーティスト、大学教授ら錚々たる顔ぶれによるセッションを実施。また参加者は、ナイアンティックが開発したロケーションベースARや、複数の音のARコンテンツを体験することができました。

下記がセッションのトピックス一例です。
なお、プログラムや講演者等の詳細はこちらの公式サイトに掲載されています。

・スマート市民と参加型アーバニズムによる拡張都市の設計。市民の参加や共有、発言を促すもの

・包括的でアクセスしやすく、遊べる都市の設計

・「場所」はどのように感情に影響するか

・AR都市を実現する技術、その影響に関するより深い社会的対話

多様なバックグラウンドの参加者が議論

シンポジウムについて特に印象深いことは、様々な異なる意見が聞かれたことだと言います。技術者、クリエイター、都市開発者、公共機関、非営利団体等が一堂に。議論やそこで出たアイディアは、示唆に富むだけでなく、具体的かつ全体的、未来の都市開発の方向性を示すものとなりました。

ナイアンティックのヴァイスプレジデントでKnight Foundationのシニアアドバイザーも務めるSam Gill氏は、セッションで次のように語りました。「もしただ物事を間違いないよう進めるだけなら、大きな機会損失になるでしょう。世界にポジティブな影響を与えるためどう技術を活用するのか、真剣に考えなければなりません(中略)人類が技術をどのように取り扱い、公共の福祉に役立てていくのか。そのことを検討するために、我々はここに集まっています」

未来を設計するNiantic

またCEOのジョン・ハンケ氏は、ARが現実世界での体験を損ねる技術だ、と描写されうる状況、そしてこれに対する反論を述べました。ARは人々のやり取り、場所との関わりをより豊かに、興味深いものにするということです。
「うまくすれば、ARは我々が住むコミュニティへの想いを強くします。この”注意を促すもの(=AR)”こそが、私達が何千回も見てきたものに対して、新しい見方を提供するのです」とハンケ氏は説明しました。

今後ナイアンティックがARで世界をどのように変えていくのか。シンポジウムの司会を務めたシニアエグゼクティブ、Michael Jones氏の言葉が同社の意気込みを物語っています。「我々は真に、未来を設計する者と呼ばれています」

ナイアンティックの動向についてはこちらの記事でも紹介しています。

(参考)Niantic


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