スマートフォン向けARゲームの「ポケモンGO」や「Ingress Prime」などを提供するナイアンティック(Niantic)が、イギリス・ロンドンのゲームスタジオSensible Objectを買収しました。同社は今後、ナイアンティックの推進するARプラットフォームの開発に専念する予定です。
新ARプラットフォームの開発に参加
Sensible Objectは、スマートフォン向けARと(実物の)パズルブロックを融合させた子供向けおもちゃ「Beasts of Balance」や、スマートスピーカーAmazon Echoを活用した音声認識ボードゲーム「When In Rome」等を制作しています。
この買収に関し、ナイアンティックのCEOを務めるジョン・ハンケ氏は「(Sensible Objectは)、リアル・ワールド・プラットフォームの開発に注力することになる」とコメント。続けて以下のように述べています。
(Sensible Objectの)チームが有する大規模アウトドア体験に関するノウハウは、ナイアンティックが世界中で開催しているイベント(の開催運営)に非常に有用です。
ナイアンティックについて
ナイアンティックは、2010年にGoogleの社内スタートアップ「Niantic Labs」としてスタートしました。後にスマートフォン向けのARゲーム「Ingress」を配信し、2015年にはGoogleから独立。2016年には「ポケモンGO」で世界中を席巻しました。
2017年、ナイアンティックはシリーズBで2億ドル(約220億円)を資金調達しました。この時の出資は、投資ファンドSpark Capitalが主導しました。その他にも、Founders Fund, Meritech, Javelin Venture Capitalといった出資家が参加しました。
ナイアンティックは、2018年初頭からAR関連企業の買収を進め、AR事業の拡大を進めています。2018年2月には、ARマルチプレイ技術の開発を進めていた企業、Escher Realityを買収しました。7月には、コンテンツ制作スタジオのSeismic Gamesを買収しています。
2019年6月現在、ナイアンティックは次回作として人気ファンタジー「ハリー・ポッター」シリーズを題材とした新作ARゲーム「ハリー・ポッター:魔法同盟」の開発を進めています。同作は2019年内の配信が予定されています。対応デバイスはiOS、Androidです。
(参考)The Telegraph