Home » Metaが「Metaアカウント」と「Meta Horizon Profile」の運用開始を正式発表。統一的なIDシステム構築へ


業界動向 2022.08.24

Metaが「Metaアカウント」と「Meta Horizon Profile」の運用開始を正式発表。統一的なIDシステム構築へ

8月24日、Metaは「Metaアカウント」「Meta Horizon Profile」の運用開始を正式発表しました。本機能は、全世界で段階的に提供される見通しです。今後MetaのVRデバイスを使用する際には、Facebookアカウントとの連携を行うのではなく、Metaアカウントの登録が必要となります。

「Metaアカウント」がいよいよ運用開始、Oculusアカウントは2023年頭に終了

「Metaアカウント」は、MetaのVRデバイスを使用する際に必要となる、新しいアカウントシステムです。これまでMetaのVRデバイスを使う場合、Facebookのアカウント経由での登録が必要でしたが、今後はMetaアカウントで登録する形式になります。

Metaアカウントは2022年7月に導入が発表されており、8月24日から段階的に提供開始。従来のFacebookアカウントからの移行後も、過去に購入・ダウンロードしたVRアプリ、VRゲームには引き続きアクセスでき、フレンド等の情報も引き継がれます。

また、「Oculusアカウント」を継続して使用しているユーザーについては、2023年1月1日(米国時間)まではログインし続けることが可能です(=2023年1月1日からはMetaアカウントへの移行が必須)。なお「Metaアカウント」を作成するには、OculusアプリとVRデバイス内のソフトウェアを最新に更新しておく必要があります。

新たなソーシャルプロフィール「Meta Horizon Profile」

「Metaアカウント」の登場に加えて、「Meta Horizon Profile」も提供を開始しました。これまでの「Oculusプロフィール」に代わる機能であり、「Meta Horizon Profile」を利用するサービス上でのプロフィールとして設定され、必要に応じて同期が可能です。SNS連携によって投稿やメッセージの共有、フォロワーの迅速な発見など、「メタバース」でのより豊かな体験が可能になるとMeta社は強調しています。

「Meta Horizon Profile」は「メタバース」のソーシャルメディアと捉えることもできます。MetaはVRデバイス内で「フレンド」という言葉を使用していましたが、今後は「フォロワー」と表記し、同社のメタバースプラットフォームである「Horizon World」にSNS的なニュアンスを持たせる狙いがあるようです。

「アイデンティティ」と「データ」を今後どう扱うべきか。模索は続く

「あらゆるバーチャル空間を、統一したアイデンティティを持つ、ひとつのアバターで行き来できるようにする」という発想は珍しくありません。Metaも「Meta Horizon Profile」を通して、Metaサービス内でのアイデンティティの構築を目指すものと考えられます。現時点では、新しいアカウントシステムはVR関連にのみ限定して運用されていますが、今後この機能を他のプラットフォームやSNSに拡張する可能性もありえるでしょう。

他方、併せて議論が必要となるのはプライバシー保護について。Metaは従来のログイン方法では、プライバシー保護に関する懸念を払拭できないと判断した側面もあるようです。

「Metaアカウント」には「全員に公開」、「友達と家族」、「自分のみ」の3つのプライバシー設定が用意され、設定を省略した場合は、「友人と家族」がデフォルトとなります。「Meta Horizon Profile」についても、非公開設定が可能。その場合、ユーザーはフォローリクエストの確認と承認も行えます。なお、13歳から17歳のユーザーは、デフォルトで非公開に設定されます。

(参考) MetaTechCrunch


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード