4月22日、デジタルツイン企業のMatterport(マーターポート)は、不動産情報企業Costar Groupによって買収されたことを発表しました。Costar GroupはMatterportの全株式を取得、企業価値は約16億ドル(約2,527億円、2024年5月1日時点)となりました。本取引は、2024年内に完了する予定です。
「デジタルツイン」のMatterport、大手不動産情報企業により買収
Matterportは2011年に設立された、「デジタルツイン」を主力とする企業です。カメラやセンサー等で不動産の内部をキャプチャ、「3Dウォークスルー」を作成する特許技術を有しています。
同社の技術では、専用のセンサーつきカメラだけでなく、スマートフォンに搭載されている標準的なカメラでもキャプチャ可能。様々な不動産の「オンライン内見」や「VR内見」サービスを提供しています。既に177カ国、1,200万点以上の空間データを有しており、毎月数十万件のデジタルツインを不動産業向けに生成しています。
(画像: Matterport YouTubeチャンネルより引用)
Matterportは2021年7月にはナスダック(NASDAQ)への上場を行ったほか、2022年4月には日本法人を設立。文化財のデジタルツイン構築、3Dモデルからの物件情報の自動生成、AIによるレイアウトの提案等も行っています。
買収を行ったCostar Groupは1987年設立。約5,000名の従業員を有しており、、複数の不動産情報ソリューションやオンライン不動産マーケットプレイスを開発・提供しています。同社のサービスには、Matterportの3Dウォークスルーサービス(3Dバーチャルツアー)が導入済みです。
また、Costar Groupはプレスリリースにおいて、「Matterportが利用可能な場合、ユーザーはアパートの情報を見るのに20%多くの時間を費やしている」とコメントし、その有用性を評価しました。2020年にはドイツの不動産データ企業Emporisの買収なども行っており、Costar Groupは「デジタルデータ×不動産」ドメインを強化する方針と思われます。