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統計・データ 2021.07.01

IDCがVR/ARヘッドセットの市場予測発表、ARは年平均100%超で成長か

リサーチ会社のIDCは、2021年第1四半期における世界のAR/VRヘッドセット市場概況を発表しました。一次的に供給への制約や需要の一服感はあるものの、2025年に向け、高い成長率が期待されています。


(AR/VRデバイス出荷の前年比成長率の推移)

Quest 2に次ぐ好調デバイスは?

IDCによれば、第1四半期の世界出荷台数は前年同期比で45%増。但し世界的な半導体需給の逼迫により、デバイス出荷の伸びは抑制されました。

この制約にもかかわらず、フェイスブックは前年比で207.4%増加という非常に高い数字を記録しました。背景には、最新の一体型VRヘッドセットOculus Quest 2の低価格路線が支持を集め、さらに新型コロナウィルスの影響でゲームやコミュニケーションツールへの需要が高まったことがあります。

さらに中国のDPVRとPicoも、それぞれ108.6%、44.7%と大きく伸長。いずれも中国に強固な市場を持っていますが、海外のコンシューマー市場を狙っていく動きも見せています。

なお上記の3社以外は、前年比でマイナスと苦戦しています。VRヘッドセット市場の競争が激しく、いわば「勝ち組」がはっきりとしてきた様相です。

ARは減少、但し数字外の市場も

次にARデバイス市場を見てみます。市場全体では前年同期比でマイナス17.2%と減少です。マイクロソフトのHoloLens 2需要が一服したことなどが背景と考えられます。

但しこの数字には、軍需産業向けのデバイスや周辺機器供給は含まれていません。例えば2021年3月にはアメリカ合衆国陸軍へのHoloLens 2導入が量産フェーズに移行したと報じられました。5年間で最大200億ドル以上と言われるこの契約も、今回の市場規模には含まれないことに注意が必要です。

ARデバイス市場はまだ急成長段階に入らないものの、レポートではMad GazeとRealWearの2社を挙げ、それぞれ独自の市場を切り開き、出荷台数を伸ばしていると説明します。

2025年にかけては急成長

最後に将来の予測です。主要企業の一部が部品の供給難に悩むこともあり、VRヘッドセット市場の2021年の成長率は、前年比28.9%と限定的です。しかし長期的に見れば、2025年には2,860万ドル規模と、年平均成長率(CAGR)にして41.4%の拡大が期待できます。

一方ARヘッドセット市場では2025年までのCAGRが138%と、そのポテンシャルはさらに高まると、IDCは見ています。

(参考)IDC


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