米国の住宅リフォーム製品チェーン、ロウズ(Lowe’S)は、店頭でVRを使った商品体験の取り組みを行っています。「Holoroom Test Drive」というこの企画では、VRヘッドセットHTC Viveとオリジナルのコントローラーを使い、草刈り機のような電動工具をVRで購入前に体験することができます。
工具とHTC Viveを組み合わせたリアルな体験
「Holoroom」は、ロウズのイノベーションラボとソフトウェアスタートアップ、Krayonikによって開発されました。来店客はVRの中で工具を使い、庭木の剪定といった体験ができます。事前に製品を試し、購入を判断することが可能です。
デモで使用するコントローラーには、実際の工具を使っています。ハンドル部分にはViveのコントローラーを設置し、体験者の両手にはHTC Viveのトラッカーを装着。こうして、工具と体験者の手をそれぞれトラッキングできるようにしています。また工具からは、実際に使用しているような触覚のフィードバックも得られます。
安全な練習、使用感確認で購入に結び付ける
この「Holoroom」の目的は、来店客が購入前に、商品の使用感を試せる機会を設けることです。実際に使ったような体験、加えて工具を使う練習ができることで、購入意欲が高まるとロウズは考えています。VR内での練習ならば、店頭でも手軽に、安全に行えます。
ロウズのイノベーションラボのOlivia Myers氏はHTC Viveのブログの中で、「顧客が実際の製品イメージを持てないことから、700億ドルに値する住宅リフォームの機会が失われています」と述べています。
ロウズは顧客の住宅リフォームをサポートするために、2014年からAR/VRプラットフォームを活用してきました。Myers氏によれば、VRを使った工具の操作練習は、これまでの方法に比較して、127%も自信を強めるものだ、という結果も出ています。
IKEAの家具配置アプリやアマゾンの商品試し置き機能など、購入前に製品を試すVR/ARツールは多く出ています。
(参考)Road to VR
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