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作業補助・ナビゲーション 2019.05.29

トヨタが自動車整備にMR活用、販売店にHoloLens 2を順次展開

日本マイクロソフトは、開発者向けイベント「de:code 2019」にて、トヨタ自動車株式会社によるMR(Mixed Reality/複合現実)を活用した取り組みを発表しました。トヨタ自動車のサービス技術部では、自動車の修理や点検業務において、MRデバイス「HoloLens」を活用することで、作業時間の削減や直感的に手順を理解することを可能としています。

これまでにもトヨタ自動車は、MRを活用した取り組みを複数実施・検証しており、2018年11月には「塗装の膜厚検査での活用」「試作工場の設備移設での活用」を発表しています。

新人整備士でも質の高い作業が可能。トヨタ販売店へ「HoloLens 2」を順次展開予定

トヨタ自動車では、現場のサービスエンジニア (整備士)は作業手順書や修理書という紙やWebマニュアルを参照し、自動車の整備作業を行います。しかし現場では、資料は車種ごとあるため数が多く物理的に場所をとり、2Dのイラストでは内部の構造などが分かりづらい、といった課題がありました。

このような課題に対し、トヨタ自動車はMR技術を用いることで解決を図っています。整備士はHoloLensを装着することで、該当する車種の3Dの作業手順書・修理書を現実空間に重ねて表示。作業を行う自動車の部位の上に作業手順が表示されるため、直感的に理解することが可能となります。

トヨタは「新人や未経験の整備士でも短期間で質の高い作業が可能」としており、整備士の作業技術レベルの標準化や作業品質の維持確保も見込んでいます。

トヨタでは、2019年内にHoloLensの次世代機「HoloLens 2」を導入し、3D作業手順書や修理書をトヨタ販売店へ順次展開することが予定されています。

クラウドサービス「Azure」を活用した検証も実施

また、トヨタ自動車ではマイクロソフトのクラウドサービス「Azure」を活用し、作業ミスや作業漏れを検出する機能の開発および検証をマイクロソフトと実施しています。自動車の3DCAD データを利用し、CADデータから自動で学習モデルを生成する方法を検証することで、数千枚におよぶ実車の写真を撮影することなく、大幅な時間短縮を実現しているとのことです。

(参考)日本マイクロソフト


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