アメリカ・サウスカロライナ州にあるクレムソン大学が、同大学が推進するVR教育プログラムに対して、アメリカ国立科学財団(National Science Foundation、NSF)から400万ドル(約4億2,000万円)の助成金を獲得しました。助成金はVR教育プログラムの拡張に使われます。
より質の高いオンライン学習のためのVR教育プログラム
クレムソン大学は「モジュール」と呼ばれるVRシミュレーションを2019年から提供。モジュールは通常の動画や講義などと組み合わせて、同大学の航空・自動技術教育センターの学生向け教育プログラムとして活用されています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でオンライン学習の重要性は増していますが、同時にその限界も見え始めています。米国のeラーニング企業OneClassの調査によると、米国の大学生の75%が「質の高いeラーニング体験を得られていない」と回答しています。
モジュールは従来の対面式の講義を完全に置き換える手段ではないものの、既存のオンライン学習が抱える問題の一部を解決してくれるものとして期待されています。
教育センターのテクノロジーディレクター、KapilChalil Madathil氏は「学生に求められる適切なスキルを、対面での授業が完了する前に身に付けてもらうという意味では、モジュールはより重要になるでしょう」と述べています。
現在48のモジュールが稼働しており、自動車技術や航空技術のスキル指導を行うとともに、実際に働けるレベルの人材確保にあたっています。