6月30日、「ポケモンGO」等を展開するNiantic(ナイアンティック)は、230人の従業員をレイオフしました。併せて、1月にリリースされたばかりのモバイルゲーム「NBA All-World」の終了や、2023年内にリリース予定の「Marvel: World of Heroes」の制作中止などが発表されました。
今後は主力タイトルに集中
今回のレイオフの詳細は、Nianticの公式ブログにて公表されています。同社CEOを務めるジョン・ハンケ氏は「モバイルゲーム投資に関する焦点を絞り、当社のコアバリューである『ロケーション』と『地域ソーシャルコミュニティ』を最も強く体現するゲームに集中する決断をしました」とコメントしました。
レイオフの具体的な実施理由は「世界的なマクロ経済の減速」「予想以上に発展が遅れているAR市場」などの外部要因、そして「自社の業績目標の未達成」という内部要因が挙げられています。同社は新型コロナウィルス感染症の最中に収益が急増し、人員増加やプロジェクトの発足を行いましたが、その後「投資に見合った収益が得られなかった」とのこと。
230名をレイオフ、一部スタジオも閉鎖
Nianticは230名のレイオフに伴い、米国のLAスタジオを閉鎖、ゲームプラットフォームチームを縮小。また、モバイルゲームアプリ「NBA All-World」の終了を発表しました。これはNBA、NBPAとのコラボレーションで制作されたバスケットボールをテーマとした位置情報ゲームで、2023年1月に配信されたばかりでした。併せて、2023年内に配信予定だった「Marvel: World of Heroes」の制作中止も決定。アメコミの「マーベル」作品を題材としたゲームアプリで、事前登録も実施されていました。
一方で、2023年5月にリリースしたARペット育成ゲーム「Peridot」は引き続き注力するとのこと。同社の主力コンテンツである位置情報ゲームとはやや方向性の異なるゲームですが、米メディアTechCrunchによると、アプリ内課金総収入は約140万ドルにとどまっています。
開発者向け事業に注力か、新たにデバイス分野への進出も?
Nianticは2023年6月に「Lightship」と「8th Wall」の開発者向けアップデートを実施しており、今後は開発者向けのARツール提供に注力していくようです。
またジョン・ハンケ氏は、同社ブログにて「我々はまた、新たなMRデバイスやARグラス開発にさらに注力したいと考えています」とも言及しており、デバイス分野への進出の可能性も示唆されています。
(参考)Niantic、TechCrunch