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MoguraVR

製造、建設、医療……各業界でのVR導入はどの程度効果が出ているのか?

2020年12月8日から10日の3日間にわたって開催された、国内最大級のVR/AR/MRカンファレンス「XR Kaigi 2020」。期間中に行われた50以上のセッションの中から、あらためて振り返っておきたいセッションをMogura VR編集部がピックアップ。今回は日本HPのセッション「もうここまで来ている、VRの活用とHPが描くその先のVR」のレポートです(※記事内に登場する各種データはXR Kaigi 2020開催当時のもの)。

実際に効果が表れ始めたVRの活用事例

セッションに登壇した島﨑さくら氏はまず、さまざまな業界におけるVR活用事例、および今後VRの活用が期待される分野について解説しました。

最初に紹介されたのは、製造・建設、トレーニング、および医療領域においてVRの効果が実証されている事例です。

従来から3DのCADデータを扱い、比較的早期からVRを活用してきた製造・建設業では、65%以上の建設事務所が「VRがビジネスの成功に不可欠だ」と回答。トレーニング領域では、VRトレーニングによる学習の定着率が90.48%と、従来のトレーニングにおける78.57%を大きく上回ることが紹介されました。医療分野においてもXR技術の進歩により、誤差1mm以下レベルのシミュレーションが可能となったことで、いよいよ実用段階にまで来ていると言います。

今後VRの活用が期待される領域とは

続いて島﨑氏は2022年までにVRの活用が期待される領域として、「コネクト」「学習」「治療」「建築・製造」の4つを挙げました。これらの領域は年平均150%程度の投資成長が期待されているそうです。

コネクトの事例として、島﨑氏はSteam VR、VRChat、および株式会社HIKKYが主催するVirtual Marketを紹介。なかでも島﨑氏自身も度々利用しているというVRChatについて、今後は法人プロモーションの場としてもこれから急成長を遂げていくのではないかと語りました。

学習に関しては、2020年3月時点で世界の学生人口の87%が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で通学できていないというデータを紹介。効果的な在宅学習の方法としてVRの活躍の場があるのではないかと考えているそうです。

医療ではカウンセリングやセラピーなどの有用性が実証され始めており、手術やリハビリ以外でもVRの活用範囲が急速に広がっていくだろうとのこと。また、建築・製造の領域では「デジタルツイン」をキーワードに、データのビジュアライズだけでなくワークフローへより深く広く浸透していくのではないかと述べました。

コネクト:フィジカルにもっとも近いつながり

ZoomやMicrosoft Teamsなどのツールによるコミュニケーションの弊害として、偶発的なコミュニケーション機会が減ったり、コミュニケーション不足からプロジェクトに遅延が発生するなどのリスクがあることを島﨑氏は指摘。それらを解消するためのにVR空間にオフィスを作った事例として、アメリカの不動産仲介会社eXp Realityのバーチャルオフィスを紹介しました。

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MoguraVR

オフィスを持たないという点も特徴的ですが、ユニークなのはバスケットコートやヨットなどのレクリエーション施設を完備しているという点。これにより、偶発的なコミュニケーションが生まれているほか、固定資産を持たないことで年300%の増収を実現しています。さらにアバターにより、コミュニケーションへの心理的ハードルが下がる効果もあります。

また島﨑氏は「フィジカルの世界でさまざまなコミュニケーションがなされるのと同様に、VR空間の中でひとりの人格として活発なコミュニケーションが行われるようになる」と説明。2050年には6人に1人が65歳以上となる社会が訪れる点に触れ、身体能力・年齢・性別・国籍を問わず、さまざまな人とのコミュニケーションが活発になる社会の到来に期待を寄せました。

さらに、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を使用しないVRの可能性にも言及。家族や友人と体験をともにし、顔を見合わせて感動を共有する形のVRのニーズも高まるのではないかと述べました。

学習:個の体験からコラボレーションへ

学習については、現在はひとりでの実習のイメージが強いものの、今後は学校や職場などのコラボレーション体験が広がっていくだろうと島﨑氏。オブジェクトの3Dデータ化の必要性があるとしながらも、今後VR学習が浸透することでデータ化も追いついてくるのではないかと予測しました。

その他、VRによるOJT体験や、その過程で適性を診断しレポートするアセスメント機能を提供する企業も登場しており、より広く・より優秀な人材の確保が可能となると説明しました。

治療:トレーニングから治療へ

治療の領域においては、カウンセリングで悩みを打ち明ける心理的障壁を減らすためにアバターが用いられる例を紹介。具体的な解決策を提示するセラピーについても、VR体験を行うことで従来の心的バリアを取り払い、自己を客観視することで症状の緩和に繋げられると言います。また、ヒーリング効果の高いVR体験をさせることで、痛み止め薬の投与を20%減らすことに成功した事例も紹介されました。

建築・製造:ワークフローからビジネスフローへ

建築・製造領域では従来からVRをワークフローの中に取り入れる事例がありましたが、今後はビジネスフローでの活用も進むと説明。製品のプロトタイプをモニターにVRで体験してもらい、そのフィードバックを受けて製品をさらに改良する、といった活用例を挙げました。また、島﨑氏はデジタルツインの話題にも触れ、デジタル空間で現実空間のシミュレーションを行うなど、VR/ARの活用によりライフスタイルの選択肢が増えるメリットを述べました。

その他、上記の4領域のほかに金融領域についても紹介。決済やトレーディングにおいてVRがどのように活用できるか、そのメリットや課題について解説しました。

HPのVRソリューション:VRヘッドセットからXRプラットフォームまで

島﨑氏はこれからのVRの進化に欠かせない要素として「フィジカルとデジタルの融合」「VRのAIの連携」の2つを挙げました。さらにVRの未来の実現に必要な要素として「リアリティ」「コンフォート」「プライスパフォーマンス」の3つを挙げ、これらの実現によりハードウェアの普及と有益なコンテンツの供給という好循環が加速すると語りました。

ここでHPのソリューションとして紹介されたのが、同社が販売するVRヘッドセット「HP Reverb G2」です。スタンドアロン型のVRヘッドセットではグラフィック処理に限界があるため、HP Reverb G2ではPCVR方式を採用していると説明。また、HP Reverb G2とセットで利用する、VR Readyの基準を満たしたラップトップPCとして「HP ZBook Create G7」も紹介されました。


(39社とのパートナーシップ提携により、ハードウェアだけでなく、VRコンテンツも含めたソリューション提供の相談にも対応できるという)

セッションの最後には、HPが提供するXRプラットフォーム、「HP Omnicept」についての紹介がありました。HP OmniceptはXRハードウェア、AI、センサー技術の融合による、インテリジェントXRプラットフォームです。

VRヘッドセット「HP Reverb G2 Omnicept Edition」にはアイトラッキング機能や心拍センサーなどが備わっており、そのデータを活用し、アプリケーションと連動することでより人の状態に適応したXR体験が可能になるとのことです。

ヘッドセットからのデータは解析され、AIにより推論されたのち、認知負荷において有益なデータを導き出します。SDKはUnreal EngineおよびUnityをサポートしています。

またセキュリティに関しても、HMDにデータを残さず、ユーザーデータも匿名化されるなど、厳重に管理される仕組みになっているとのことです。

最後に島﨑氏は「HPではヘッドマウントディスプレイとPCVRマシン、そしてVRパートナーシップによるハードウェアに限定しないワンストップサポートが可能です。無限の可能性を秘めたVR、ぜひご一緒に検討させていただければ幸いです」と語り、セッションは終了となりました。

https://www.youtube.com/watch?v=d05Ij6Xo3t0

XR Kaigi 2020のセッション動画をYouTubeで公開中

今回レポートしたセッションをはじめ、XR Kaigiの公式YouTubeチャンネルではセッション動画を多数公開しています。イベントに参加した人も未参加の人も、ぜひ一度チェックしてみてください。

(参考)XR Kaigi 公式YouTubeチャンネル講演資料


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