8月23日、3Dアバター生成ツール「Ready Player Me」を開発するWolf3Dは、シリーズBラウンドにて5,600万ドル(約76億円)の資金調達を実施しました。資金は、アバター作成機能のさらなる拡張や、アバター資産を収益化できる新しいツール開発に使われる予定です。
本調達のシリーズBラウンドは、Andreessen Horowitz(a16z)が主導しました。Roblox共同設立者のDavid Baszucki氏、Twitch共同設立者のJustin Kan氏、King Games共同設立者のSebastian Knutsson氏およびRiccardo Zacconi氏、スポーツとエンターテイメント企業のEndeavorなどが参加しています。
1つのアバターで「メタバース」を楽しむ
エストニアに拠点を置くWolf3Dは、アバター作成システム「Ready Player Me」を開発しています。このシステムでは、1枚の自撮り写真から3Dアバターを作成可能です。同社は異なるバーチャル空間をまたいで「横断的に使用できるアバターシステム」を提供し、ユーザーが統一されたアイデンティティのもと、「メタバース」を楽しむ世界の構築を目指しています。
また収益化戦略の一環として、ユーザーがバーチャル空間でデジタルアクセサリーを購入できるシステムの実装にも重点を置いています。これまでAdidas、New Balance、Dior、Pull&Bear;などのファッションブランドとの連携や、SF映画「デューン」とのコラボ企画を実施しています。
同社によれば、2022年8月現在、「Ready Player Me」のアバターシステムを採用しているアプリ、プラットフォームなどの顧客は3,000以上にのぼります。
調達資金を使って、アバターをより活用できるプラットフォームへ
「Ready Player Me」の共同設立者兼CEOであるTimmu Tõke氏は調達に際し、「この資金により、同社はアバターシステムの拡張を続け、ユーザーにとってより柔軟なものとします」「ユーザーがアバター資産で収益化できるよう新しいツールを作り、個人クリエイターがゲーム間のアバター市場に参加できるツールを構築します」とコメントしました。
今回の調達で得た資金は、開発者チームの規模の拡大に当てられます。「Ready Player Me」のアバター作成機能の拡張やアバター自体の多様性の向上、アバター資産を作成し販売できるシステム構築といった開発を強化する見通しです。
CrunchBaseのデータによると、本調達はWolf3Dにとって過去最大の単独調達額です。2021年12月に調達した1,300万ドルのシリーズAを含めて、「Ready Player Me」の外部資金全体額は8,550万ドルに達しました。
(参考)Ready Player Me、Road to VR
Mogura VRはRoad to VRのパートナーメディアです。