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業界動向 2023.11.14

MetaがIT大手テンセントと暫定合意、中国で新型VRヘッドセット発売か

Metaが中国大手IT企業・テンセントと、新型VRヘッドセットを中国で販売する暫定合意に至ったとみられます。現地時間11月10日、関係者の取材をもとに、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じました。なお、Metaとテンセントはコメントを発表していません。


(出所:Meta)

WSJによれば、この新型VRヘッドセットは2024年後半に発売予定。「Meta Quest 2」より高度なGPUを搭載しつつ、「Meta Quest 3」よりも安価なレンズを採用する計画です。テンセントはこの製品の独占販売権を得ますが、暫定合意の詳細は変更される可能性があります。

警戒心を払拭し、5年ぶりの中国向け展開なるか

中国で外国企業が製品を販売するには、現地企業との提携または現地法人の設立が必要です。2023年7月には、複数のメディアが「Metaは中国市場への再参入を検討しているが、テンセントとの協議は難航している」旨を報じていました。対するテンセントは、2023年2月にVRヘッドセットの自社開発を断念し、関連部門を縮小したと報じられています。

Metaと中国企業の提携交渉は、今回が初めてではありません。2018年にはシャオミ・クアルコムと技術協力し、「Oculus Go」をベースにしたVRヘッドセット「Mi VR Standalone」を中国限定で発売していました。

中国VR市場は官民連携・専門分化へ

中国政府は2023年9月、「メタバース産業の革新的発展に向けた3カ年行動計画(2023-2025年)」を公表するなど、XR・メタバース分野の産業政策には意欲的です。現地企業も事業開発には前向きで、2023年7月には通信大手のチャイナ・モバイルが、VRヘッドセットメーカーHTCなど24社と「メタバース同盟」を発足しました。

他方、VRヘッドセットメーカー・Picoを買収した中国ByteDanceは、米中間の地政学リスクから米国市場への進出を延期したほか、2023年11月にはVR部門の事業再編を決定しています。

(参考)WSJ(1)WSJ(2)ロイターRoad to VR

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