アメリカ宇宙軍が、有人宇宙飛行の不時着に対応する救助部隊の医療能力を高めることを目的として、VRを活用した医療訓練を導入することが明らかになりました。パラレスキュー隊員、戦闘救難士、飛行外科医を対象に、VRヘッドセット「VIVE Focus 3」を使用して訓練を行う予定です。
没入型の臨床トレーニング
アメリカ宇宙軍のVR医療訓練では、VR医療シミュレーションプラットフォームを開発・運営するSimXの「VALORプログラム」を採用します。同プログラムはSimXがアメリカ空軍と共同研究開発したもので、同社の既存のVR医療シミュレーションシステム(VRMSS)を拡張。170万ドルを投入し、さまざまなシナリオを高品質に再現しながら、軍医療従事者のVRによる臨床トレーニングを可能にします。
SimXによると、VRMSSはアメリカ空軍のみならず、ヨーロッパや日本の軍事施設でも採用されているとのこと。今後米国空軍第24特殊作戦部隊(24STS)および空軍管轄下の有人宇宙飛行支援作戦部と共同で開発され、同部でテストされる予定です。
国防総省有人宇宙戦闘支援室のBrent Maney氏は、「このプロジェクトのミッションへの影響は、有人宇宙飛行の不時着に対応するグローバルな救助部隊の全体的な医療能力を高めることです。これらの能力は、有人宇宙飛行の継続的な拡大に備え、最高水準の医療を提供できるようにするために不可欠です」とコメントしています。
なお、アメリカ宇宙軍は、隊員向けにもVRトレーニングを採用しています。