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軍事利用 2020.03.06

MRデバイス「HoloLens」導入の米国陸軍、テストシーンを公開 完成は2021年

アメリカ合衆国陸軍は、マイクロソフト製MRヘッドセット「HoloLens」の採用を進めています。今回HoloLens 2を使ったトライアルのシーンが米軍から公開され、着々と実戦への導入準備を進めていることがうかがえます。

Samsung製スマホも使用、重量は2.5ポンド

米国陸軍は2018年にマイクロソフトとデバイス納入に関する契約を締結。実戦・訓練双方への大規模導入を目標に進めてきました。2019年以降は、対象の兵士を増やしながらトライアルを実施。フィードバックを得ながら改良を重ねています。

今回公開したのは、ヘッドセットを使ったARトレーニングプログラムのライブデモです。何もない室内で、兵士らはバーチャルの敵を画面内に確認。戦術の訓練を積むというものです。

また映像に加え、メディアMilitary Timesはシステムの詳細を報じています。新システム「Integrated Visual Augmentation System (IVAS)」を構成するのは、HoloLens 2に加えサムスン製のスマートフォン、無線機、8時間の連続使用が可能なバッテリーです。
外付けのセンサーを含む総重量は2.5ポンド(約1.1キロ)。米国陸軍は、今後2ポンド(約0.9キロ)までの軽量化を目指しています。また過去2回のテスト期間を経て、ユーザーインターフェースの改良も図られたということです。

敵と非戦闘員をすばやく区別

現在トライアルはトレーニングの場で行われていますが、最終的には実戦での使用を目指しています。「(前略)IVASの最も優れた能力の1つは、標的認識のサポート機能、すなわち、ユーザーが見たものや人をすべて、素早く見分ける機能のことです。これにより、相手が敵なのか非戦闘員なのかを、区別することができます」IVASのリードアクションオフィサーMAJ Brad Winn氏は、このようにMRデバイス導入の意義を説明しました。

米国陸軍によれば、最終製品の完成は2021年9月を予定しています。

(参考)Next Reality


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