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軍事利用 2019.10.07

ARで武器照準をサポート ヘッドセットメーカーがアプリを提供

法人向けARヘッドセット「X2」の開発・販売を行うアメリカの企業ThirdEye Gen(ThirdEye)は、同製品が9月から出荷開始されたという発表に続き、兵士が戦場で武器の照準を合わせるのを手助けするアプリを開発したことを明らかにしました。

銃身にヘッドアップディスプレイを取り付けて使用

発表に合わせ、ThirdEye社は動画を公開。動画によると同アプリはX2に加え、銃身に備えられた取り付け台に箱のようなヘッドアップディスプレイを装備して使用するようです。

PAWS(Processor Aided Weapon Sight)と呼ばれるこのヘッドアップディスプレイは、ThirdEyeのX1またはX2スマートグラスとペアになっており、見ている人に風速や高度、天候、ターゲットまでの距離などの詳細な情報をスコープを通して提供します。アプリは軍事専用に開発されたもので、Androidアプリで提供されます。

同社は現在、政府が認可した再販業者である「BANC3」を通じて製品の受注を行っています。BANC3は実弾射場用のAR練習ツールの開発でアメリカ政府の資金を受けている企業です。またThirdEyeとBANC3は、訓練や遠隔サポート、さらに一般用途でのX2利用を目的とした契約を複数の組織および国防総省と結んでいます。

競合はマイクロソフト?

ThirdEye社は軍事分野でのARソリューションの競合相手としてマイクロソフト社を視野に入れています。

マイクロソフトは兵士たちが実際に行うHoloLens 2のテストのために、米国陸軍と直近数か月で約4億8000万ドル(約5億1000万円)相当の契約を結びました。3,500ドル(約37万円)するHoloLens 2に対し、X2は半額近い1,950ドル(約21万円)と、ThirdEye社は価格面でマイクロソフトに対抗しようとしています。

米メディアNext Realityの取材に対し、ThirdEye Genの創設者であるニック・チェルクリ(Nick Cherukuri)氏は「X2は軍事用だけでなく、ボーイング社やゼネラルダイナミックス社など民間企業からも引き合いがある」と述べており、「当社の目標はARおよびMR業界で最も有名なスマートグラスになることだ」とも語っています。

(参考)Next Reality, Next Reality


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