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活用事例 2020.06.03

イギリスの病院がHoloLens導入、医療従事者の新型コロナウィルス感染対策に

新型コロナウイルスの流行を受け、遠隔でコミュニケーションを取れるVR/ARデバイスが注目されています。イギリス・ロンドンの医療機関では、マイクロソフトのMRデバイス「HoloLens」の導入を計画、トライアルを開始しました。

接触が8割以上減少

コロナウイルスに関する問題の一つが、医療従事者の感染です。医療サービスが提供できなくなったり、感染を防ぐための個人防護具(PPE)が不足するといった事態が発生しています。

このプロジェクトでは、患者と接触する医療従事者を減らすために、HoloLensを活用します。診察する医師らが、デバイスを装着。音声と画像を用い、診察室の外にいるメンバーへリアルタイムで情報を伝えます。こうして患者に関わる医療従事者を減らすことなく、感染のリスクや防護具の消費を抑えることができるのです。

英国のインペリアル・カレッジ・ヘルスケアNHSトラストは、現在セントメアリー病院他4つの医療機関とHoloLens導入を検討しています。デバイス採用の効果については、マイクロソフトのデータによれば、スタッフが感染のリスクに晒される時間を83%減らせるということです。

デバイス導入の課題は

一方、導入に際しては課題もあります。例えば防護具がHoloLensのセンサーに干渉するため、調整の必要が生じました。またスマートフォン等に比して、デバイスが高価(3,661ドル、約40万円)という点も挙げられます。

しかし複数の参加者がコミュニケーションを取れる点、ノイズリダクション機能で重要な会話も漏らさず行える点等、HoloLensのメリットが評価されています。

今後数週間内には正式な試験導入を開始し、国内での利用拡大を狙うとしています。

新型コロナウイルス流行下での、医療現場でのVR/AR/MR活用事例は下記の記事でも紹介しています。

(参考)The Seattle Times


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