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活用事例 2020.04.23

VR教育で医療を守れ 英企業がオンライン学習ツールを無償提供

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い懸念されているのが、医療体制の逼迫です。イギリスのVRスタートアップFundamentalVRは、人工呼吸器の使用方法を学ぶ無料のコースを提供。ICUに必要なスキルを、素早く学ぶサポートを行います。

30分で人工呼吸器導入を学習

FundamentalVRは、インペリアル・カレッジ・ロンドン及びインペリアル・カレッジ・ヘルスケアNHSトラストと協力し、オンラインの学習ツールを開発しました。医療従事者が、約30分間で人工呼吸器の使い方を学ぶことができます。

イギリスでは感染者の急増に対し、他の専門分野や、退職した医師・看護師を集中治療室(ICU)に配置する必要に迫られています。こうした医療者が必要なスキルを身につけるために、オンライントレーニングが役立つというものです。

プロジェクトのリーダーであるインペリアル・カレッジ・ロンドンのProfessor Ara Darzi教授は、「集中治療室での医療業務に習熟するには、何年も要します。今回の新しいトレーニングコースは、こうして身につく専門性に代替する内容ではありません。しかし(新型肺炎流行という)現状に対し、世界の医療システムが機能し、患者が早急に必要としている治療を提供できるようにします」と語ります。

研修医向けVRトレーニングも

FundamentalVRの貢献は、このオンラインツールだけではありません。感染者の治療に専念するため、医療現場では急を要さない手術が延期されています。この影響を受けているのが、研修医の実習です。

同社は、従来から開発するVR手術プラットフォームにマルチユーザーの機能を追加。研修医が自宅にいても、手術の実技を学べるようにしました。4月には@HomeVRシステムをリリースし、Oculus QuestやHTC Vive Focus Plusといった一体型ヘッドセットにも対応しています。

新型コロナウイルスによる医療崩壊を防ぐべく、米国でもVRトレーニングを無償提供する企業が出ています。

(参考)VRScout
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