中国の大手IT企業テンセントが、新たに「XRユニット」を立ち上げることが、関係者の話から判明しました。テックジャイアントがメタバース市場に与える影響に注目が集まります。
人員削減下での大規模計画か
このニュースはロイターが、事情に通じる3名の人物から得た情報として報じています。テンセントは2022年6月20日、従業員に対して「”extended reality” (XR) ユニット」を組織すると通知。組織上はインタラクティブ・エンターテインメントビジネスグループの一部となり、テンセントゲームズグローバルのCTO、Li Shen氏がトップに就きます。ソフトウェア・ハードウェアの両分野にまたがり、メタバースの基盤となるものを広く含むと見られます。
ロイターによればスタッフ規模は300名以上を予定していますが、事業状況次第で調整もあり得るとのこと。流動的な人数だとしても、同社がコスト削減やレイオフを進めている現状に対しては、非常にアグレッシブな計画であると言えます。なお事業部自体は2022年前半に組織されたものの、社内でも非公開の状態が続いていたとのことです。
CEO肝いりのプロジェクト
テンセントは本件について、正式なコメントを差し控えています。しかし関係者によれば、「XR事業部は創業者でありCEOのPony Ma氏肝いりのプロジェクト」と社内で受け止められているようです。
同社はメタバースへの取組について多くを語っていません。しかし2021年11月にはアナリストに対して、メタバースのチャンスに乗るための多くの「技術と能力の原資」を持っていると話しています。
世界のテックジャイアントが集まるメタバース市場に、新たな参入者が現れるのか。テンセントの動向に今後も注目です。
(参考)Reuters