中国の大手IT企業テンセントは、XRユニットを立ち上げ、同事業に注力する方針であることを認めました。ハードウェア・ソフトウェア両面に取り組み、業界のベンチマークを目指すとしています。
今後4、5年でチャンスをとらえる
同社が2022年6月20日、社内向けに「XR(extended reality)ユニット」の組織を通知したことは、ロイターが関係者からの情報として報じていました。今回ロイターは、テンセントのゲーミング部門トップであるSteven Ma氏からコメントを得ています。
Ma氏によれば、テンセントは確かにXR事業部門を設立し、ハードウェア・ソフトウェア両面で展開するとのこと。その背景として、XR分野に進出する企業の多くはアップルのようにハード・ソフト双方を提供し、クローズドなエコシステムを構築するだろうとの考えを示しました。
「当社は今後4、5年かけてチャンスをものにしたいと考えています。ソフトウェア、コンテンツ、システム、SDKツール、ハードウェアやその他VR体験の創造に必要な要素の実験を行い、業界のベンチマークとなるのです」とMa氏は語りました。
技術的ブレークスルーも背景に
さらにテンセントがXRへの関心を強めている理由として、ディスプレイ解像度の向上や軽量化といった、VRデバイスに関する多くの技術的なブレークスルーが、直近で見られる点も挙げています。
先に触れられた300人規模の人員計画といった点の真偽は、今回の報道では明らかになっていません。しかし中国のテックジャイアントが本気でXRのハード・ソフト市場に乗り込むことは、間違いないようです。
(参考)Reuters