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統計・データ 2019.11.05

最も多く使われたARアプリやAR広告の浸透度は? 調査レポート

ゲーム業界のリサーチ会社Superdataは、AR利用に関する調査レポートを発行しました。調査レポート中では「AR広告はまだ消費者に行き届いていない」と報告される一方、「見込み顧客として有望なARユーザーの特徴」も見えつつあるようです。

(以下、画像の引用元は当該レポートより)

AR体験の機会 トップはソーシャルメディア

ARを使うアプリでは、Snapchatなどのソーシャルメディアがトップです。78%のARユーザーが「日常的に使用する」と回答しており、中でも6割以上が写真に重ねるARエフェクトを用いていることです。

2位のARゲームについては、リリースから3年が経つ現在でもナイアンティックの「ポケモン GO」が人気を集めています。同社の新作「ハリー・ポッター:魔法同盟」や、ロングセラー「Minecraft」のARゲームアプリ「Minecraft Earth」も、これに続くことが期待されています。

一方、エンターテイメント以外でのAR利用にも注目です。ARユーザーの3分の1近くは「何らかのツールとしてARを用いている」と答えました。上位から挙げると、翻訳が39%、ナビゲーションが34%、ものの長さを測るARメジャーが17%という結果でした。

AR活用進めるSnapchat、苦戦するFacebook

様々なモバイルアプリのユーザーに、当該アプリのAR要素をどの程度利用しているか、調査した結果が下記のグラフです。バッテリー消費の抑制やスムーズな動作のために、ゲーム中のAR機能をオフにする、というのは熱心なプレイヤーに見られる行動です。しかしARが必須要素である「ポケモンGO」や「ハリー・ポッター:魔法同盟」では、ユーザーがARを頻繁に体験していることがわかります。

またここでも目立つのがソーシャルメディアのSnapchatです。およそ8割のユーザーが、アプリ使用時間の半分以上でAR要素を使っていると回答。これは、写真にエフェクトを重ねるフィルターを指すと考えられます。

反対にAR利用者が少ないのはAmazonとFacebookのアプリです。例えばFacebookは2018年からAR広告を導入していますが、ユーザーへのリーチは限定的な様子です。いずれのアプリもまだARを中心に据えているとは言い難く、今後よりAR要素を強めていけば、利用時間を伸ばすことは期待できます。

AR広告の効果は?

ARの用途で注目を集めるものの一つが広告です。それでは、どの程度のユーザーがAR広告を見ているのでしょうか?SuperDataの調査によれば、残念ながら日常的に見ているというユーザーは半数に届かない41%。企業はARメイク等の工夫を凝らし、購買行動に直結させるよう努力を進めています。

その一方、消費者にリーチした場合の拡散効果が期待できるのはAR広告の強みです。AR広告を見たユーザーの6割以上が、その広告をSNSのフォロワーや、身近な人にシェアしたと回答しました。直接見るユーザーは限定的でも、このような二次的な閲覧者は多く存在すると言えそうです。

高収入の若者 ARユーザーの素顔とは

最後に、ここまで見てきたARユーザーの特性に迫ります。平均年齢は約30歳、68%は35歳以下です。また年齢の低さに対して、平均年収が63,000ドル(約680万円)と高額なことが特徴。AR広告によって、企業は有望な見込み顧客を獲得できる可能性があります。

ただし、ARユーザーを必ずしもひとまとめに考えて良いわけではありません。例えば女性ユーザーはソーシャルメディアアプリで52%を占める一方、ARゲーム利用での構成比率は38%。このようなコンテンツごとの差異も考慮する必要がありそうです。

(参考)SuperData


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