ゲーム業界のリサーチ会社Superdataは、2020年第1四半期時点の最新XR市場予測を発表しました。新型コロナウイルスの流行を受け、2020年の市場規模は縮小傾向。しかし長期的には、XRツールへの関心の高まりから投資が増大するという予測も立てています。
デバイス出荷減や施設型不調
レポートによると、2020年の市場規模は77億ドル(約8,200億円)から63億ドル(約6,700億円)へと下方修正されました。新型コロナウイルス流行による業界へのダメージが原因とされています。工場の閉鎖といった影響を受け、例えばValve Indexは出荷数が前期の10万3,000台から3万3,000台へと大幅に減少した、とも述べています。
最も大きな打撃を受けている分野は、物理的な場所に依存するロケーションベースVRです。Superdataは、2020年の施設型VR市場規模が、1億4,100万ドル(約150億円)へ落ち込むと推計しています。2019年と同程度の売上へ回復するには、時間を要するという見立てです。
新型コロナウィルスの影響を受けるのは売上だけではありません。XR関連企業への投資は減少傾向で、2020年は前年比10%減の9億2,300万ドル(約983億円)規模になるとSuperdataは予測します。
リモートワークや個人向けエンタメでは注目
一方で、コロナウイルス流行でXRが注目を集めているのも事実です。例えばリモートコラボレーションやVRトレーニング等は、人々が外出や接触を避けて行動するために有用です。
こうした流れを受け、長期的にはXR市場への投資が進む可能性もあります。Superdataは、2023年のXR関連投資額を159億ドル(約1.7兆円)へと、4%上方修正しました。
コンシューマー向け市場についても、デバイスの出荷減は供給側がネックであり、需要が減っているわけではありません。むしろ自宅で過ごす時間が増え、ゲームを楽しむ人口は増えてくると考えられます。
レポートは、早ければ2020年下半期に反動が来る(収益が増加する)分野もあるとの予測を示しています。
(参考)SuperData