Oculus Quest向けのサイドローディング(※)用アプリ「SideQuest」の開発元が、300万ドル(約3.4億円)の資金調達を行いました。今回の資金調達により、SideQuestはVR開発者を支援するツールの構築を目指します。
(※サイドローディング:正規のアプリストア以外から、アプリを入手しインストールすること)
SideQuestは、Oculusの公式ストアで配信されていない、非公式のソフトを入手できるアプリ。
Oculus Quest向けにFacebookが運営する公式ストアは審査が厳しいことが知られており、回避してVRコンテンツを配信できる場としてSidequestが登場しました。2019年7月のOculus Questリリースの2日後にリリースされ、約10ヶ月後の2020年5月には100万ダウンロードを突破しました。
Sidequestは、2020年11月には、様々なVR/ARプラットフォームでのデバイス・アプリ間の仕様を標準化するための取り組みである「OpenXR」に参画。2021年4月にはAndroidデバイス向けアプリを配信し、PCとQuestを接続しなくてもサイドローディングを可能にしました。
一方、Facebookは非公式なアプリ配信プラットフォーム「App Lab」を2021年2月にオープンしています。
SideQuestの開発元は2020年9月に、Oculus創業者のパルマー・ラッキー氏などから65万ドル(当時約6,800万円)を調達しています。SideQuestの代表は当時の資金調達について、VR開発者を支援するテストサービスやその他のツールを構築することができると述べていました。今回の資金調達はVR開発者を支援する計画を加速・拡大するものです。
今回のシードラウンドでは、PROfoundersが主導し、Ada Ventures、Connect Ventures、Ascension、SCNEのほか、複数の戦略的エンジェル投資家が参加しました。
創業者のShane Harris氏はUploadVRに対し、「私たちは、開発者がOpenXRを使って複数のプラットフォームをターゲットにしながら、SideQuestコミュニティを活用して利用者を増やすためのツールやサービスの構築に力を注ぎたいと思っています」と述べています。
(参考)UploadVR