2023年3月20日(日本時間21日)、オンラインゲーム「Roblox(ロブロックス)」のクリエイター向けツール「Roblox Studio」に、Generative AI(生成AI)を活用した2つのアシスト機能が実装されたと明らかになりました。
この2つの機能は、2023年2月に開発が予告されており、サンフランシスコで開催中のゲーム開発者会議GDC2023にて実装が発表されました。
「Roblox」はプレイヤー自身がゲームを制作したり、他のプレイヤーが作ったゲームを遊べるプラットフォームです。Robloxによると、全世界の日間アクティブユーザー数(DAU)は5,800万人を突破。急成長中のユーザー年齢層は17歳~24歳、若年層に人気のあるゲームプラットフォームとして知られています。
「Roblox Studio」はゲーム本編のためのワールドやアバター、アバター向けのアイテムなどを作ることができるPC向けのクリエイティブツールです。Robloxのクリエイターはこのツールで全てのコンテンツを作成します。「Roblox」では、ユーザーの増加とともにコンテンツを作るクリエイターの数も増加。ユーザー自作のコンテンツ(UGC)の数は3,200万以上にのぼり、収益化しているクリエイターの数は月間250万人以上です。
(Robloxで自作のコンテンツを有償販売しているクリエイターの数は直近で月間250万人を突破)
AIはクリエイターが創るたいものをさらに創りやすくする
今回実装された機能は、「AI Code Asisst」と「AI Material Generater」の2つです。
「AI Code Asisst」はAIがコーディングを手伝ってくれる機能です。自然言語に応じたコーディングをしてくれる他、コードの修正なども行ってくれます。生産性の向上だけでなく、「クリエイターの学習にもつながる」(Roblox Studio担当VP、ステファノ・コラッツァ氏)とのこと。
「AI Material Generater」は、3Dモデル(マテリアル)の表面のテクスチャをテキストで指示することで生成できる機能です。
現時点では限定的とのことですが、「今後は3Dモデルやゲーム全体の雰囲気にあったテクスチャを生成できるようにしていく」といった発表も合わせて行われました。
ステファノ氏によれば、「文脈を理解することができるようになったことでAIのアウトプットの質が劇的に向上している」とのこと。さらに文脈理解が進むことでクリエイターが作りたいものを、より簡易に作れるようになるだろう、と語っていました。
ChatGPTの登場により、世界中で進化したAIを、どのように活用できるのか、様々な試行錯誤が続いています。ステファノ氏は「ここ数週間の間にも、多くの人たちが独自にChatGPTを使ってRobloxでコンテンツを作るのを見ました。それは非常にエキサイティングなことです」と語ります。開発者コミュニティが率先して、コンテンツ制作のためにAIを駆使する様子を見て、勇気づけられているとのこと。
文字や画像、動画など2次元のコンテンツ生成から3次元のコンテンツ生成へ。Roblox Studio やUnityなどのゲームエンジンをはじめとする3次元コンテンツ作成ツールと生成AIの統合は、今後一気に加速することが予想されます。
Mogura VRでは、GDCのAIに関する報告を含むXR/メタバース関連の報告会を開催します!
4/4(火)リアル・オンライン配信予定です。
詳細はこちら:https://gdc2023.peatix.com/