Home » フェイスブックのARグラス開発プロジェクト、シンガポールでデータ収集を開始


テック 2021.09.17

フェイスブックのARグラス開発プロジェクト、シンガポールでデータ収集を開始

FacebookのARグラス研究開発プロジェクト「Project Aria」に、また1つ進展が見られました。シンガポールの2か所で、デバイスを使った情報収集が開始するというものです。

理想のARグラス開発プロジェクト

「Project Aria」は、研究用のメガネ型デバイスを用いたプロジェクトです。搭載されたカメラとAIを使って現実空間の3Dマッピングを行うほか、音声系の拡張を実施。2020年9月の発表時には、Project Ariaを通じて「理想のARグラス」の研究開発を着実に進めていることが強調されていました。

なお、Project Ariaで用いるデバイス自体は一般販売を目的としていない完全な実験用デバイスであり、9月10日に発売したスマートグラス「Ray-Ban Stories」とは全くの別物です。

人通りの多い2か所からスタート

今回のニュースは、シンガポールのメディアThe Straits Timesが報じました。報道によると、データ収集はまずマーライオン公園(Merlion Park)とガーデンズ・バイ・ザ・ベイ(Gardens by the Bay)の2か所で開始されます。デバイスを装着したフェイスブック社員の視点で動画や録音を実施。目の動きや、位置情報なども収集します。

ただし、映り込んだ人物の顔や車のナンバープレートには自動的にぼかしが入り、音声もデバイスユーザーの声を優先して拾う、ごく近くの音声しか録音できないなど、プライバシーへの配慮がなされるということです。またデータ収集中のスタッフは、服装や首から下げたストラップで一目で分かるようになっています。

Facebookはデータ収集場所の選定理由について、人通りが多くデータ量が豊富であること、屋内スペースに比べ、プライバシーへの配慮に対する期待感が低いことを挙げました。

なお「Project Aria」公式サイトにも、8月25日付のアップデートとしてFacebookのシンガポールオフィス内や社員の自宅でデータ収集を開始したこと、9月から公共の場でのデータ収集が開始することが記されています。

フェイスブックのARグラスについて、プロトタイプやリリース時期などは明らかになっていません。しかし研究開発が着実に進んでいることが、今回の報道からも見て取れます。

(参考)The Straits Times


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード