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活用事例 2024.04.30

ホロラボと西松建設、XR×ドローンによる施工現場管理のフィールド検証を実施——空撮映像にリアルタイムAR情報表示

2024年4月18日、株式会社ホロラボ西松建設株式会社は、XRとドローンを活用した作業支援・空撮映像へのAR表示技術を発表しました。ドローンで取得した屋外の建設予定地の映像に、PC経由で3Dモデルをリアルタイム表示。施工状況の可視化や作業の効率化を図ります。

リアルタイムで「ドローンの映像にAR表示」を実現

今回、ホロラボは空撮の可能なドローンと、GNSSの基準局、コントローラを用意し、これらをAR情報をレンダリングするための高性能PCと無線接続。ドローンが撮影した映像に、処理負荷の大きい3Dモデルを表示しています。従来のQRコードを使ったAR表示ではなく、GNSSの位置情報やドローンの持つ姿勢情報、カメラ情報を紐づけることで、マーカーを使わないリアルタイムAR表示を実現しています。

このシステムは遠隔地に設置されたPCや、現地スタッフが装着するARデバイス付きヘルメット「Trimble XR10 with HoloLens 2」とも接続しています。これにより、ドローンが撮影した映像へのリアルタイムAR表示を可能にしたほか、インターネットを通した遠隔地との空撮映像共有を実現しました。


(フィールド検証のシステム構成)


(XR10での表示、および各種機器の操作イメージ)

今回ホロラボと西松建設が開発したシステムは、現在施工中のダム建設現場(宮城県名取市)で実地検証を行いました。ドローンによる空撮映像に、ダムや岩級区分の3Dデータを表示することで、リアルタイムかつ自由な視点で現場全体を確認できることを示しました。また、ドローンの機動性を活かすことで、現地での移動時間を削減しています。

ホロラボは今回の実や今後の展望について、「自由視点での3Dモデルを重畳した広域現場での状況把握や、時間の削減を確認できた一方、ドローンの移動中の伝送速度とレンダリング速度の差による重畳精度のずれなども確認されました。今後は一層の精度向上とシステムの最適化、更なる操作性・利便性の向上に向けて機能を拡張し、汎用利用可能なサービスとして展開するべく開発を進めてまいります」とコメントしました。

3Dモデル×XRで建設や建築を効率化、事例続く

建設や建築の現場において、3Dモデル(CIM/BIM)データを活用した作業効率・生産性向上がたびたび図られています。XRを活用した事例も多く、国内では清水建設株式会社と株式会社積木製作が、VRと3Dスキャンを活用した施工検査システムを発表、海外では住宅困窮者向けの緊急避難シェルター設営の高速化など、様々な場面での取り組みが進められています。

(参考)ホロラボ


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