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業界動向 2019.10.01

8KVRのPimax、新モデルやアップグレードプログラムなど発表

中国のスタートアップPimaxは、PC向けVRヘッドセットの新たなラインナップ「Pimax 8K X」、「Pimax 8K Plus」を発表しました。既存製品にも対応する複数のアクセサリーや、アップグレードプログラムも公開しています。

クラウドファンディングで調達に成功、Oculus Rift超え

中国のヘッドセットメーカーであるPimax Technologyは、高解像度・広視野角のVRヘッドセット「Pimax 8K」を開発しています。2017年9月~11月にクラウドファンディングサイトKickstarterで出資を募り、最終的にはVRヘッドセット「Oculus Rift」が2012年に集めた240万ドル(約2.6億円)を大幅に超える、420万ドル(約4.6億円)の資金調達を達成しています。

新パネル技術を採用

今回発表された「Pimax 8K X」、「Pimax 8K Plus」の価格はそれぞれ1,300ドル(約14万円)、1,000ドル(約10万8,000円)です。

「8K X」の目玉はネイティブで片目4Kの解像度。リフレッシュレートは75Hzで、アップスケーラーを有効にすると90Hzとなります。「8K Plus」、「8K X」共に新たなパネル技術を採用しており、よりはっきりしたコントラストと深みのある色彩を実現するということです。


(既存の「Pimax 8K」)

高耐久化オプションも提供

「8K X」の出荷は2019年12月18日Kickstarterの出資者向けからスタートを予定し、一般発売は未定です。一方「8K Plus」は10月30日のリリースを予定しています。「8K X」と同じパネルを使用していますが、コンテンツ入力が2,560×1,440から3,840×2,160にアップしているということです。両機種共にパネル利用は既存デバイス比較で10~15%改善、視野角は170度となります。

ヘッドセットには新しいオーディオストラップとフェイシャルインターフェースが付属します。ただしいずれも単体での販売で、コントローラーやベースステーションは別途購入の必要があります。

また現行モデルも含め、高耐久化オプションを提供します。希望するユーザーはPimaxにコンタクトすることで、特性のラバーコーティングとメタリックボタンをヘッドセットに施せるとのこと。これにより、耐久性と防水性を高められます。

9月28日現在、プレオーダーのサイトは用意されていません。

複数のアクセサリー発売へ

またPimaxは、一般販売するアクセサリーと、すでにデバイスを所有するユーザーへのアップグレード対応についても発表しました。アクセサリーは2017年のKickstarter実施時に提示されていたもので、トラッキングモジュールやケーブル等多岐にわたります。

ハンドトラッキングモジュール

・価格:170ドル
・出荷:2019年12月
・Ultraleap社との共同開発

アイトラッキングモジュール

・価格:300ドル(出資者向けは200ドル)
・出荷:2019年12月15日
・7Invensun社との共同開発
・Pimaxの全ヘッドセットに対応

モジュラーオーディオストラップ

・価格:120ドル
・出荷:2019年12月
・Pimaxの全ヘッドセットに対応

ビジョンコンフォートキット

・価格:50ドル
・出荷:2019年11月1日
・Pimaxの全ヘッドセットに対応

10メートルケーブル

・通常製品は5メートル
・価格:99.95ドル+送料

ベースステーション

・価格:300ドルのデポジット、最終販売価格は未定
・出荷:注文の3~4週間後

アップグレードプログラム

クラウドファンディングの出資者や先行注文したユーザーへ、アップグレードプログラムを提供します。これは主に、当初予定からの出荷遅延に対するフォローの意味があります。

コントローラー

Pimax自社開発のSword Controllersは2020年3月1日、Sword Senseは同5月1日まで延期が決まっています。そこで先行注文したユーザーに対し、下記2つのオプションを提示します。

・オプション1
差額+手数料を支払いValve社の「Valve Index Controllers」を代替として受け取る。リードタイムは6週間。

・オプション2
返金を受ける。

ヘッドセット

既存の「Pimax 8K」、「Pimax 5K Plus」、「Pimax 5K BE」所有者は、「8K Plus」及び「8K X」購入の際に割引を受けられます。具体的な金額は発表されていません。

Pimaxは10月中に専用ウェブサイトを設け、出資者や先行注文者がアップグレードやディスカウント手続きを行えるようにする予定です。

(参考)Road to VR [1], [2]
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