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テック 2023.10.18

マイクロソフトのウェアラブルデバイス関連特許が公開。ARグラスや「外部機器」との接続を構想か

10月5日、米国特許商標庁(USPTO)は、ウェアラブルデバイスに関するマイクロソフトの特許を公開しました。2022年4月に出願されたもので、特許内の図面にはグラス型デバイスも記載されています。


(出所:USPTO

2023年5月以降、マイクロソフトが出願したXR関連特許の公開が続いています。5月には、新たなXRヘッドセット開発を示唆すると考えられる特許が公開され、8月には「センサーとディスプレイを脱着可能にする」「仮想入力デバイスを仮想オブジェクトに固定する」といった特許が公開されています。

複数のバッテリー搭載方法を構想

公開された特許の正式名称は「ウェアラブルデバイス上のモジュラー式電源と各種機能(MODULAR POWER AND/OR FUNCTIONALITY ON WEARABLE DEVICE)」。図面には、ARグラスに搭載する着脱可能なバッテリーが記載されています。バッテリーの搭載方法は複数案が描かれており、メガネのテンプル(つる)部分や、ユーザーが着用するイヤホン内部にバッテリーを格納する仕組みが例示されています。

2023年10月現在、HTCの「VIVE Focus 3」など、一部のVRヘッドセットは交換式バッテリーシステムを搭載しています。仮にARグラスに実装された場合、交換を前提としたバッテリーの小型化や、実質的な使用可能時間の延長などが実現可能と思われます。


(他の部位に装着した電子機器と接続する可能性を示唆した図面。出所:USPTO

また特許には、ARグラスをネックレスやベルト、バックパックなどと接続する仕組みも記載されています。これらの物品に電子機器を搭載し、接続したARグラスの演算力やメモリ容量などを増やす構想。接続には、Wi-FiやLi-Fi(※LEDを使う光通信技術)を使用する可能性があります。

特許公開は続くも、「ソフトウェア路線」転換

マイクロソフトは2023年2月から、全従業員の5%に当たる1万人規模のレイオフを始めています。同社のXR・メタバース分野もその影響を受けており、「MRTK(Mixed Reality Tool Kit)」開発チームの解散、ソーシャルVRサービス「AltSpaceVR」のサービス終了、そしてMRデバイス「HoloLens」開発チームの大半がレイオフ対象になった旨が報じられており、XR、特にハードウェア分野におけるマイクロソフトの存在感は、以前よりもやや弱まっています。

その一方、マイクロソフトはMetaやAppleとのXR分野における提携を発表し続けています。MetaのVRヘッドセット「Meta Quest」シリーズに、ゲームサブスクリプションサービス「Xbox Game Pass」を対応させたほか、「Teams」や「Office」製品のVRデバイスへの対応などを進めています。同社は自社開発のデバイス「HoloLens」を軸とした展開ではなく、他社にソフトウェアやインフラ等を供給するポジションに転換しつつあるようです。

(参考)USPTOMSPoweruser


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