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投資 2019.03.11

3Dスキャンの米Matterport、4,800万ドルの資金調達

3Dスキャン技術を有し、世界最大級の空間ライブラリを提供しているMatterportが、4,800万ドル(約53億円)の資金調達を行いました。強みである3Dスキャン技術をベースに、クラウドサービス等事業拡大を進めます。

Matterportとは

Matterport社は、3D空間スキャンカメラの販売や、現実世界の写真をVR空間に再現するソリューションの提供を行うスタートアップです。主に、不動産業界や建築業界、旅行業界で使われています。スキャンしたデータは、VRヘッドセットを使いバーチャルツアーを行ったり、360度パノラマ写真を作成したり、2Dの平面図を作成できます。今回の資金調達前の企業価値は、3.25億ドル(約350億円)とも言われています。

同社のルーツは、高性能の空間スキャンカメラにあります。多数の2D画像から3Dのイメージを作成し、顧客企業に提供するというもの。事業環境は移り変わり、ビジネスには変化が見られています。

ハード、ソフト両面の戦略転換

ハード面では、撮影を巡る近年の変化として、スマートフォンのカメラ性能向上、低価格の3Dカメラが多数出てきた点が挙げられます。そこでMatterportは、オリジナルのハイエンドカメラを継続する一方で、低価格デバイスメーカーとの提携を打ち出すという転換を図っています。

またサービス面では、AIエンジンを用いて、2Dパノラマや360度画像を3Dに変換するパッケージ「Matterport Cloud 3.0」を発表しました。このクラウドサービスでは、AIにより2Dイメージを3Dに変換します。サービスの自動化を進め、よりリアルなコンテンツや、企業向けの高精度のイメージ提供を実現するものです。併せて自社で有する画像データベースのさらなる拡大と、機械学習による3Dイメージ作成精度の向上を目指します。

作成された3Dイメージはそのまま用いるだけでなく、例えば室内の家具配置を変えるといった編集も可能です。

日本の導入事例

Matterport社のVR技術は、住宅情報の「SUUMO」など日本でも導入事例があります。

(参考)TechCrunch


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