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クリエイティブツール 2018.01.31

手に張り付ける「電子皮膚」VRやARで直感的な操作

VRやAR、MRにおいて有力な入力方法の一つに手を用いたジェスチャーがあります。ドイツのドレスデンにあるHZDR(ヘルムホルツ研究所)では、手の微妙な動きを磁気を用いてトラッキングできるバンドエイドほど薄い「e-skin」(電子皮膚)を開発しました。

薄い「e-skin」を手に貼ることで手のトラッキングを実現

現在市販されているジェスチャー入力機器ではカメラからの入力による画像認識技術を用いることが多いですが、カメラや画像処理を行うプロセッサが必要です。また、このようにして取得された入力信号は指の繊細な動きを捉えきれるほどの解像度はありません。一方で、HZDRのソフトエレクトロニクス研究所で「e-skin」の研究開発を行っているMartin Kaltenbrunner氏は、「e-skin」は3マイクロメートル以下の厚さで簡単に手に張り付けたり装着できるため、人と機械をつなぐ良い方法だと考えています。

「e-skin」は、8つの磁気式センサを使用し手の向きを検出しています。

VR、ARへの入力装置として応用を検討

具体的な応用例としては、手を振って再生中の曲の音量を調節したり、部屋のライトやディスプレイの輝度を調整する際に使え、VR向けに現在のコントローラを置き換えて使用もできるとしています。

また、通常の剛性のあるロボットではなく、柔軟性を持つソフトロボットや、リハビリテーション時の患者の動きを計測するといった用途への応用もできるとBermudez氏は述べています。

今のところ、この電子皮膚をそのまま製品化する計画はありませんが、研究開発を継続していくとのこと。今後は感度を向上させることを目指しており、将来的には触覚をユーザーにフィードバックできるようなシステムを追加することを検討しています。

(参考)
Forget bulky controllers. ‘Electronic skin’ may make it easier to interact in VR/DIGITAL TRENDS(英語)
https://www.digitaltrends.com/cool-tech/electronic-skin-germany/

Virtual reality goes magnetic/HELMHOLTZ ZENTRUM DRESDEN ROSSENDORF(英語)
https://www.hzdr.de/db/Cms?pOid=55504&pNid=99


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