Project Tango(現、Tango)とはGoogleのR&D部門であるATAPグループが開発しているAndroid向けAR/MRフレームワークです。同社が発表しているVR向けのCardboardやDaydreamと違い、赤外線カメラなどの専用ハードウェアを必要とし、AR/MR向けであるのが特徴的です。Google I/Oなどで数年前から存在は公表されていたProject Tangoですが、入手困難な開発者キットが必要だったため知名度はあまり高くありませんでした。
Tango対応端末は赤外線カメラなどを使って深度情報を抽出できます。そのデータを使って同時に現実世界のマッピングと現在位置の把握(SLAM)を行います。その情報をソフトウェア開発者に使いやすい状態で提供するのがTangoの目的です。GoogleなどによるデモがTangoの可能性を示しています。
Tangoでできること
3D Reconstruction
最も素直なデモは、3D Reconstructionデモです。
現実世界の3次元位置情報に色情報を付け足して実際にあるものの3Dモデルを作っていくデモです。
恐竜と遊ぶ
I/O 2016 で発表された国立博物館のDinosaurs Among Usとタイアップした恐竜ビュアーです。
現実世界に比例したサイズ感で恐竜が表示されたり、恐竜とセルフィーを撮るなどできるアプリです。
定規
このデモでは画面の中で現実世界の距離を測ることができます。
https://www.youtube.com/watch?v=Ry8BvY_MP5U
インテリアデザイン
アメリカのホームセンターLowe’sとタイアップした家具プレビューアプリです。
https://www.youtube.com/watch?v=pmXVMIRwuJQ
買いたい家具が部屋の中で実際どう見えるかを事前に確認できるアプリです。
ポジショントラッキング
GearVRと開発者キットを組み合わせてInside Out方式のPositional Trackingを実装した人も居る模様です。
製品版ではDaydreamと連携してひとつの端末で実装できると思われます。
いよいよ一般発売されるTango
現地時間6月9日のLenovo Tech Worldで世界初の一般向けProject Tango対応スマートフォン、Phab 2 Proが発表されました。値段は499USDで、今年9月に全世界でSIMフリーで発売される予定です。
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(Phab 2 Pro発表は 34分30秒あたりから)
Tangoについてさらに詳しく知りたい方はGoogle I/O 2016のWhat’s New with Project Tangoキーノートや開発者向けサイトがおススメです。