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業界動向 2019.08.02

脳スキャンでコントロール フェイスブックが新技術を開発中

フェイスブックのAR/VR研究部門が、ARグラス用のブレインスキャニング技術を開発していることが明らかになりました。同社の公式ブログによれば、最終的には同技術を活用した入力デバイスの完成を目的としているとのこと。

フェイスブックのブレインスキャニングに関する開発プログラム「Brain-Computer Interface (BCI) program」は、2017年度のF8でその存在が公表されました。同プログラムは、神経科学の博士号を持ち、過去にアメリカのジョンズ・ホプキンス大学で神経科学部の准教授を務めていたMark Chevillet氏がディレクターを担当しています。

操作面の革新となるか

現在、一般向けARグラスの販売に関してボトルネックとなっているのは「入力方法」です。VRのようなハンドコントローラーによる操作は、屋外で使用することが想定されたARグラスにはマッチせず、音声入力による操作もプライバシー面に課題が残ります。

それらの問題を解決すると期待されているのが、「BCI(Brain-Computer Interface)」による入力です。BCIを利用することで、ユーザーは頭の中で必要なことを考えるだけで入力が可能となります。

現在はプロトタイプ

「BCI」の実現には、複数の新技術開発と技術的ブレイクスルーの達成が必要です。「BCI」プログラムのメンバーは、ワシントン大学とジョンズ・ホプキンス大学と提携する形で、近赤外線イメージングの研究を行っています。

フェイスブックによれば、近赤外線イメージングを活用し、人間の脳のニューロンが活性化する際に酸素を取り込むことで生じる脳内の酸素レベルの変化から、脳の活動を間接的に測定する試みとのこと。

2019年7月現在、フェイスブックは近赤外線イメージングを活用したプロトタイプデバイスを制作しています。同社によれば現在の完成度はそれほど高くないものの、アイトラッキング技術などを組み合わせることで、将来的に実用可能な入力方法とすることを目指しているとしています。

また近赤外線イメージング技術が上手くいかなかった場合に備えて、フェイスブックは血管やニューロンを直接イメージングする技術にも取り組んでいます。同社は、10年単位の時間が必要としながらも、実現は可能であると公式ブログ上で説明しています。

(参考)UploadVR


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