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統計・データ 2020.05.14

新型コロナの影響はAR/VRへの投資にも……他業界同様に大きく減速

世界的な新型コロナウイルスの流行により、スタートアップ企業への投資が大きく減速しています――AR/VR関連も例外ではありません。AR/VRやモバイル分野を中心に調査・投資を行うDigi-Capitalは、2020年第1四半期のVR/AR分野向け投資状況について報告。「新型コロナウィルスの影響により、VR/ARブーム以前のレベルまで落ち込んだ」としています。

投資件数、Oculus買収前の規模に

2019年第4四半期及び2020年第1四半期の2四半期で、AR/VR分野への投資件数は急減速しました。特に2020年第1四半期の投資件数は、2013年第4四半期と同規模。これはFacebookがOculusを買収し(2014年3月)、AR/VR市場が盛り上がる以前のレベルです。

過去12ヶ月間のトレンドを見ると、投資分野ではAR/VR技術、教育、ゲーム、エンタープライズ、医療、スマートグラスが多くを占めています。また投資ラウンドでは、シード、シリーズA、グラント、シリーズB、アクセラレータがメインです。

投資額は2015年のレベル

次に投資額のトレンドです。投資件数同様に過去2四半期は激しく落ち込んでおり、2020年第1四半期は2015年第3四半期と同レベルとなりました。

過去12ヶ月間のトレンドでは、投資分野のトップがAR/VR技術、ソーシャルサービスです。投資ラウンドで見ると、シリーズF、B、A、C、Dの順となっています。

地域別のトレンドでは、過去同様に米国と中国向けが投資の多くを占めました。これにイスラエル、イギリス、カナダが続きます。

まずは目先の利益確保か

新型コロナウイルスの流行で多くの技術向け投資が冷え込んでいますが、このようにAR/VR市場も例外ではありません。この傾向は少なくとも中期的に継続すると見られ、また新型肺炎収束後も、投資が以前のレベルに戻るかは不透明です。長期的にはAR/VRを活用するトレンドが見込まれるものの、他の業界と同じく、ベンチャーキャピタルの投資は一時的に冷え込むことでしょう。

世界が非常事態にある今、スタートアップにとってベンチャーキャピタルの投資を活用する道は困難です。「2020年、2021年は短期間で利益を生む事業に集中し、資金確保に努めるのではないか」とDigi-Capitalは総括しています。

(参考)Digi-Capital


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