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テック 2018.09.07

CEDECで見つけた、VR/AR/MR関連のインタラクティブセッションまとめ【CEDEC2018】

ゲームを中心としたエンターテインメント業界の開発者が集い、デモ展示や知見共有の講演が行われるCEDEC。体験型の展示が行われる「インタラクティブセッション」や、企業が展示を行う「スポンサー展示」では、VR技術に関するものも多く見られました。

本記事では、会場内で体験できたVRに関する展示をレポートしていきます。

安価で作れるオープンソースのデータグローブ

筑波大学IPLABの博士課程に在籍している、高田崚介氏による個人展示。スマホのタッチスクリーン用の手袋を使って、手の形や接触をセンシングできるデータグローブを実現しています。

タッチスクリーン用の手袋には導電繊維が編み込まれており、それをセンサとして活用することで安価・軽量・頑丈な(=引き伸ばしたり洗ったりしても壊れない)デバイスとなっています。

このデータグローブはオープンソースとして公開されており、プロジェクトページからソースコード等のダウンロードが出来ます。

スマホを使って銃撃戦、ARサバゲー「VAIR Field」

銃や弓にスマホを取り付け、シースルーでバーチャル世界を覗き見ながらサバイバルゲームをプレイできます。銃や弓には動きやアクションを検知するためのマイコンやスマホバッテリーに加え、位置追跡用にVIVEトラッカーも搭載されており、それらがPCと通信を行うことで、マルチプレイヤー間で物理およびバーチャル環境が統合されています。

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展示者である安本匡佑氏は、神奈川工科大学で准教授として研究を行いつつ、株式会社CENOTEのCEO・CTOとしてこういった技術の製品化・社会実装も行なっているとのこと。

https://vimeo.com/262710712

DIY製作の筐体による空飛ぶブランコ体験

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グリー株式会社所属の千田氏らが製作した、手作り筐体によるVR体験の展示です。足を振るアクションで、靴飛ばしやブランコによる移動操作を行います。子供の頃に誰もがやった(?)靴飛ばしの爽快感を味わえるとともに、夜景の綺麗な街の上空をブランコで飛行する体験ができました。

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展示で使用した筐体は、ハンモックチェア(17000円)・ブランコ(3000円)・メタルラック部品(1500円)・カメラマウント(1200円)・アクションカムリストバンド(1200円)など、全てが通販で手に入る既製品で製作可能とのこと。やり方次第で特殊デバイスがなくとも、安価にVR筐体を製作できると説明していました。

会場で展示説明が空中に浮かんで見えるメガネ

TMCN×CEDECコラボセッションとして、HoloMagiciansによるCEDEC会場内のブース案内用MRアプリをHoloLensで体験することができました。HoloLensを装着すると、インタラクティブセッションで展示を行っているブースの名前・画像などの情報が、ブースの上空に浮かび上がります。また地図で選択したブースの近くには赤い印が出現するなどの機能も実装されていました。

こちらのアプリは、2018年夏のコミックマーケットにて実証実験が行われた「ブース案内MRアプリ」(紹介記事)のCEDEC版ということになります。夏コミでは、WebカタログAPIから得られるブース情報を各ブースの真上に表示させていました。株式会社ホロラボの公式ブログに、実証実験で得られた知見がまとめられています

空気圧の人工筋肉による力覚提示スーツ

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広島大学の栗田雄一氏らによる力覚提示スーツの展示。小型二酸化炭素ボンベから圧縮空気を送り込むことで、スーツ各所に取り付けられた筋肉モジュールが収縮し、力覚を提示します。この人工筋肉モジュールは、付ける場所を簡単に変えることができるそうです。会場ではモンスターからの攻撃による衝撃を感じる、という体験ができました。

VRで餅つき体験

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国際学生対抗VRコンテストとして、毎年ユニークな作品を排出し続けているIVRC。CEDEC2018では、IVRC2017の優勝作品であるVR餅つき体験「餅餅」を体験することもできました。開発したのは名城大学 柳田研究室の学生チーム。

キネについた磁石をコントロールすることで鉄粉の含まれる袋を持ち上げ、それをバネで引っ張ることで、餅が伸びる触感を再現しています。

VIVEフル装備で楽しむバーチャルキャスト

CEDECスポンサーの一社であるVIVE JAPANのブースでは、VIVE Proフルセット(頭部・両手)にトラッカーを7つ(両足、両膝、腹部、両肘)、計10点のトラッキング環境でバーチャルキャスト(解説記事)を体験できました。

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スタッフに指示されるままに体育座りをし、モザイクモジュール(体験者には半透明のキューブに見えるが、モニタにはモザイクとして表示される)を股間に運ばされる筆者。いいんだろうかこれ。バ美肉(バーチャル美少女受肉=バーチャル空間で美少女のアバターを身にまとうこと)初体験の筆者は少々戸惑いを覚えつつも、バーチャル空間のスタジオで(バーチャルな)カメラを向けられると、思わずアバターを意識した体の動きになってしまいました。

地下階にあったモノビットエンジン社のブースにはバーチャルキャストをプレイするスタッフが控えており、上階のVIVEブースでバーチャルキャストをプレイする体験者をバーチャル空間内でアテンドしていました。

ついに「あのデバイス」も日本上陸!

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スポンサーであるTSUKUMO & MSIのブースでは、HTCが中国市場向けにリリースしていた一体型VRヘッドセットである「VIVE Focus」も展示されていました(2017年の体験レポ)。VIVE Focusは、既に日本の技適を通過しており、展示されていた箱には、日本語の記述がなされたシールが!

HTC NipponのVIVE事業日本責任者である西川美優氏が登壇したセッションによれば、発売日はまだ決まっていないものの、年内にはリリースできるとのこと。

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アップデートによって追加されたフロントカメラで外の世界を通し見る機能では、見える世界はモノクロですが、酔わない程度のフレームレートが実現されており、自撮りも違和感なく簡単にできました。

終わりに

2016年に「VR Now!」という、VRに関するセッションを積極的に取り上げる動きを見せたCEDECは、本年に至るまで毎年VRに関する話題を扱い続けています。

来年のCEDEC2019ではどんなものが現れるのか、講演による知見共有だけでなく、インタラクティブセッションやスポンサーブースなど、体験型の展示も要チェックです。


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