米マイクロソフトが「Azure Kinect Developer Kit」の生産を終了すると発表しました。追加購入は2023年10月末まで受け付けますが、以降の製品・サービス提供は、中国の3DカメラメーカーOrbbecの新ブランド「Femto Bolt」に引き継がれます。
(Microsoft「Azure Kinect DK」。出所:マイクロソフト)
米マイクロソフトとOrbbecは8月17日、「Azure Kinect Developer Kit」(以下「Azure Kinect DK」)の技術群を、パートナーエコシステムへ移行すると発表しました。既存製品・アプリケーションは引き続き利用でき、販売終了後も「Femto Bolt」で移行用のAPIブリッジが提供されます。
マイクロソフトのシニア・ディレクターSwati Mehta氏は、アナログ・デバイセズやSICKとの提携にふれながら、今回の発表が2021年に開始されたOrbbecとの技術協力の延長線上にあるとしています。また、Orbbecの共同設立者で製品責任者のDavid Chen氏は、「高性能カメラ分野の設計力・製造経験に裏打ちされたカスタムデザインやODMサービスで、お客様をサポートします」とコメントしました。
2010年に生まれた「Kinect」ブランドの終了
マイクロソフトの「Kinect」ブランドは、ゲーム機器「Xbox360」のジェスチャー・音声入力デバイスとして2010年に登場しました。2018年には、深度センサー(デバイスと被写体の距離を測定する機器)にクラウド・画像認識技術を組み合わせた後継サービス「Azure Kinect」を発表。2019年から医療・製造現場などの分野で導入されてきました。
2020年には一般向けの商用提供を始め、多くの法人・個人開発者が、MRデバイス「HoloLens」シリーズやクラウドサービス「Azure」と組み合わせたソリューションを提供していました。
なお、マイクロソフトは当初からパートナーシップ拡大を模索しており、2021年3月には韓国LGグループとの協業を発表。2023年1月にはOrbbecとの共同ブランド「Femt Mega」を発表していました。