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業界動向 2019.03.27

注目続くAR、中国アリババがイスラエルのスタートアップ買収

イスラエルのARスタートアップInfinityARが、中国のアリババ・グループ・ホールディング(以下、アリババ)に買収されたことが明らかとなりました。

InfinityARはARデバイスおよびAR開発者向けのソフトウェア開発キット(SDK)制作などに取り組んでいる企業です。同社は2016年からアリババから出資を受けており、イスラエルの経済紙Globesによれば、アリババは買収金額として1000万ドル(約11億円)以上を支払ったとされています。

今後はアリババのイスラエル研究所に編入

InfinityARの発表によると、同社は買収後アリババのIsrael Machine Vision Laboratoryに加わるとのこと。Israel Machine Vision LaboratoryはアリババのリサーチプログラムであるDAMOアカデミーによる研究所で、コンピュータービジョンやナビゲーションといった技術の研究開発を行っています。

InfinityARのCEOで共同創業者のMotti Kushnir氏は、今回の自社の買収について以下のようにコメントしています。

我々は世界的IT企業であるアリババの一員となることを楽しみにしています。同社の有する(先端)技術を次世代の製品として商品化するノウハウと経験は、コンピュータービジョンやAR、AIの発展に大きく付与するものであると考えています。

2019~2020年に向け加熱するAR、アリババは継続的に取り組み

2019年3月現在、世界各国で開発されている様々なARデバイスが注目を集めています。わずか85gの「nreal light」やインテルから特許購入を行って開発中の「North」、国内では網膜投影ARグラス「RETISSA Display」などが存在。フェイスブックはARグラスの開発を認め、数年前から噂のあったアップルのARデバイスは2019年に量産開始が推測されるなど、目下加熱しつつある分野です。

アリババはこれまでにも「Taobao Buy」など、MR(複合現実)やARを活用したショッピング体験を開発・発表しています。今回の買収やこれまでの活動を鑑みて、同社は今後もAR/MR分野へ継続的な取り組みを続けるものと思われます。

(参考)InfinityAR プレスリリース


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