カナダのスタートアップNorth(旧Thalmic Labs)が、開発中止となったインテルのスマートグラス「Vaunt」関連の特許を購入していたことが判明しました。
Northは、過去に腕輪型ジェスチャー端末「Myo」を開発した企業です。スマートグラス開発にも取り組んでおり、2018年10月には、スマートグラス「Focals」を発表しました。一方、インテルは小型で軽量のARグラスとして「Vaunt」を開発していましたが、2018年4月に開発の中止が報じられていました。
約230件の特許を購入
「Vaunt」関連の特許をNorthが購入した事実は、Northの最高経営責任者(CEO)Stephen Lake氏から公表されました。 Lake氏によると、約230件の「Vaunt」関連の特許に加えて、開発に関係する資産や技術を購入したとのことです。今回購入された特許を含めると、Northが保有する特許の総数は、約650件に達します。
インテルとNorthは、以前からビジネス上の関係にありました。2016年には、インテルの投資事業部門インテルキャピタルが、North(当時はThalmic Labs)に対して1億2千万ドル(約130億円)を出資しています。
普段使いができるスマートグラス
Northが開発を進める「Focals」は、ARを活用したスマートグラスで、スマートフォンとBluetooth接続して使用します。レンズ部分にはプロジェクターが内蔵されており、スマートフォンに届いた通知の確認や、天気や時間のチェックなどが行えます。
フレームの形状は、一般的なメガネに近いデザインとなっています。Northは「Focals」を「毎日使えるスマートグラス」と謳っています。
「Focals」は2018年10月の製品発表と同時に、予約の受付も開始されています。販売価格は1,000ドル(約11万円)です。予約を行うには、カナダのトロントかニューヨークのNorthのショールームを訪れ、サイズ測定を受ける必要があります。
今回の特許購入によって「Focals」の製品版は、より「Vaunt」に近い仕様になると推測されます。
(参考)Next Reality