Oculusは一体型VRヘッドセットOculus Quest(オキュラス クエスト)は、テスト機能としてハンドトラッキングを搭載しています。このハンドトラッキング機能を、開発者が最大限活用するためのマニュアルが公開されました。
”手はコントローラーではない”ことを念頭に
今回Oculusは、デベロッパー向けのガイダンス”Designing for Hands”にハンドトラッキングに関する項目を追加しました。
ガイダンス本文では、「この情報は決してすべて網羅するものではありません。しかし、当社がこれまでに学んだことに基づき開発を行うための、良いスタートポイントとなるでしょう。当社は、このマニュアルがコンテンツ開発の助けとなり、手がVR内でできることの限界を押し広げると希望します」と謳っています。
マニュアルによれば、忘れてはならないのは“手はコントローラーではない”ということ。VR内の手”が”本物の手”と同様の動きができない理由として、次のようなものが挙げられています。
・トラッキング範囲の制約やオクルージョンといった根本的な技術的限界
・バーチャル空間のオブジェクトからは、現実世界で我々が手がかりとしている触覚フィードバックが得られない。
・システムを動かすためのハンドジェスチャーを、付随するトリガーなしに選択することは困難。なぜなら手は、日々のやり取りの中で様々なポーズを取っているからである。
そしてこのような限界を認識した上で、どのようにハンドジェスチャーを有効活用するかを説明します。
異なるインタラクションの区別
”Interactions”の章では、ユーザーがバーチャルオブジェクトを扱うために、何を考慮すべきか指南しています。例えば絶対的なインタラクションと相対的なインタラクションの区別。ユーザーが直接触れて操作するものと、距離を置いて回転のような操作を行うもの、の区別が必要です。
理想的なボタンやスイッチは?
また”User Interface Components”の章では、正確なハンドトラッキング実現のために、ボタンやメニュー画面のようなものをどのように配置し、動作させるかの具体的な提案をします。
ハンドトラッキングの本格的な実装時期は不明ですが、メディアRoad to VRは2020年中のどこかの時点で実施されると予測しています。
2019年末よりテスト機能として実装
Oculus Quest(以下Quest)のハンドトラッキングは、2019年12月にテスト機能として実装されました。本機能を使用することで、これまでハンドコントローラーで行っていた各種操作を、ユーザーの手の動きで操作できるようになります。
2020年2月現在、ハンドトラッキングに“公式に”対応しているのは、Questのホーム画面と一部のアプリのみです。ただしサイドローディング(※)アプリ「SideQuest」上では同機能に対応するゲームアプリが、非公式ながら、これまでに複数リリースされています。
(※サイドローディング:正規のアプリストア以外から、アプリを入手しインストールする行為)
(参考)Road to VR
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