米国カリフォルニア州は、森林火災や山火事などの被害に悩まされています。こうした自然災害に対抗すべく、消防局は消防士のVRトレーニングに乗り出しました。
カリフォルニア州は例年森林火災や山火事が多発しており、2019年は11月までに6,400件以上の火災が発生。被害額は約1億6,300万ドル(178億円)にのぼります。
実際の火災に基づきシーン作成
カリフォルニア州コスムネス消防局は、消防学校の新人教育過程にVRトレーニングを導入。実際のミッションにつく前に、現実の火災に基づいた様々なシーンをVRで体験します。火災がどのように広がるのか、燃え方の激しい変化、フラッシュオーバーに繋がる煙や炎の様子といったものを、VRヘッドセットを通じてリアルに体感可能です。シナリオは全部で7種類用意されています。
ほぼ全員が効果を実感
2019年10月のプログラム開始以降、20名の訓練生がVRトレーニングを体験。その効果は、非常に高いことが明らかになっています。ほぼすべての体験者が、VR体験のおかげで実際の消火活動に向けてよりしっかり準備できている、と回答しました。コスムネス消防局は、今後も訓練でのVR活用を継続するとしています。
なおトレーニング導入に際しては、英国のソフトウェアスタートアップRiVR社と、中国のVRヘッドセット開発企業Picoが協力しています。
一般市民向け避難訓練VRも
災害に備えるためにVRで体験、訓練を積むことの有用性が注目されています。その中には、一般市民を対象とした避難訓練もあります。
(参考)VRScout
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