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業界動向 2019.11.25

Snapと米通信Verizonが提携 ARの普及目指す

写真共有アプリ「Snapchat」の運営元であるSnap Inc.と米通信大手のVerizon(ベライゾン)が、パートナーシップ締結を発表しました。5Gを活用し、現実世界に重ねるARエフェクトの普及を進めます。

ARの広範囲な普及を目指す

Snapchatのサービスとしては、ユーザーの顔や体の写真、動画にエフェクトを重ねるものが有名です。一方、身の回りの現実世界にAR効果を出現させるツールも出てきています。

例えば「Landmarkers」は、アプリ使用時にカメラが特定の建物を認識し、ARフィルターとアニメーションを起動するというもの。フランスのエッフェル塔やロンドンのバッキンガム宮殿など、世界各地のランドマークがフィルター対象となっています。

その数は2019年8月時点で14箇所と、決して多くはありません。今回のパートナーシップは、このようなAR効果のさらに広い普及を狙います。両社は、将来的にはSnapchatのアプリを通じた新しいライブイベントの体験方法も提供したいということです。

Snap社ビジネスへの期待、即効性は?

Snap社は2019年第3四半期の決算発表で、ARの重要性を強調しました。Snap社CEOのEvan Spiegel氏によれば、ユーザーの顔や背景画像にエフェクトを加えるARレンズ(フィルター)はすでに60万以上制作されているとのこと。そして通信を高速かつ高品質にする5Gにより、さらに利用者が増えることを期待しています。

また同社のチーフ・ビジネス・オフィサーJeremi Gorman氏は、「ARが広く普及すれば、広告業者による当社プラットフォームへの投資も促進されるでしょう。我々はユーザーにとって魅力的な新しい体験を提供し続け、より多くの顧客へのリーチを増やしていきます」と広告収入への影響も説明しました。

AR普及の後押しが期待される今回のパートナーシップですが、新たな体験がすぐ身近になると考えるのは時期尚早です。Verizonの超広帯域5G通信が導入されているのは、原稿執筆時点でわずか18都市。2019年末には30以上の都市に拡大を計画していますが、一方で5Gに対応するデバイスが少ないことも指摘されます。

米通信大手の取組

Snap社と提携を発表したVerizon。同社は5G通信普及に向け、XR(VR/AR/MR)デバイスやソフトウェア企業との提携、さらにはARソリューションのスタートアップJauntの資産買収など、次々に施策を打ち出しています。

(参考)CNBC


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