写真共有アプリ「Snapchat(スナップチャット)」を手掛けるSnap Inc.が四半期決算を発表しました。アクティブユーザーや売上の大幅増加を報告するものの、収益は黒字化ならず。ユーザーの囲い込みが課題となっています。
ユーザー数はライバルに遅れ
2019年第3四半期、デイリーアクティブユーザー(DAU)数は前期比較で700万人増加の2億1,000万人。売上は前年同期比50%増の4億4,600万ドル(約485億円)でした。ただし収益は引き続き赤字であり、ユーザー数でも他のSNSに遅れをとっています。例えばInstagram(インスタグラム)の「 ストーリーズ(Stories)」は2019年1月時点でDAUが5億人と、Snapchatの倍以上です。
制作されたARレンズは60万以上
Snap社CEOのEvan Spiegel氏は、同社の将来に対するARの重要性を説明しています。いわく、アクティブなユーザーはSnapのARサービスを1日に30回近く利用しているとのこと。具体的には、ユーザーの顔や背景画像にエフェクトを加えるARレンズ(フィルター)が使われています。
Spiegel氏によれば、このようなARレンズはユーザーやクリエイターによって60万以上制作されているということです。
60万という数字は大きい印象を与えますが、ライバルのフェイスブック・Instagramも独自にARフィルター機能を提供しています。フィルター数は公開されておらず、スナップチャットを凌ぐ可能性もあります。
デバイス活用、プラットフォーム確立へ
Snap社が長期的な事業方針として掲げるのが、ARデバイスの活用です。今後7~10年の間に、ウェアラブルデバイスを通じて現実にイメージを重ねるようなサービスを計画しています。
一方目先では、AR広告による「非常に大きな」潜在的収益を期待しています。そしてAR普及と収益化に向け、プラットフォームの拡大に注力する方針です。この点に関しては、競合のフェイスブックもARグラス開発を認めています。Snap社にとってユーザー囲い込みは喫緊の課題となりそうです。
Snap社のトピックス
11月発売予定のサングラス型デバイス「Spectacles 3」や話題のARフィルターといったSnap社の動向は、下記の記事でも紹介しています。