VRに最適化したフォワードレンダラーがUE4に登場 22%の高速化

11月15日、エピック・ゲームズはゲームエンジンUnreal Engine4の最新バージョンとなる4.14をリリースしました。本バージョンでは、Oculus Touch向けFPS『Robo Recall』で用いられている新機能としてVRに最適化したフォワードレンダラーなど、複数のVR向け機能が追加されました。

https://www.youtube.com/watch?v=wq8EXq4elis

最近のゲームエンジンは、効率的なライティング、シャドーの計算ができることからディファードレンダリングが一般的になっています。一方で、フォワードレンダラーは、MSAA(マルチサンプルアンチエイリアシング)が使え、他のアンチエイリアシング手法よりもより鮮明に描画できる利点があります。

エピックゲームズは以下のように述べています。「フォワードレンダラーは、ライトカリングやフラスタムでの反射をキャプチャーできます。このとき、フォワードパス内の各ピクセルは、ライトや反射を繰り返し計算して、マテリアルに基づいたシェーディングを行います。また、ステーショナリーライトへの動的なシャドーは事前に計算され、さまざまなシャドーの特徴が効率的にスクリーンスペースシャドーマスクのチャネルにひとまとめにされます。」

また、『Robo Recall』の開発時のデータとして、NVIDIA Geforce GTX 970を使って描画した場合、フォワードレンダラーはディファードレンダラーよりも約22%高速化したとしています。レンダリングパフォーマンスが上がると、より綺麗なグラフィックシーンを作ることができます。

『Robo Recall』はキャプチャー画面を見るだけでもグラフィックが綺麗であることがわかり、現時点でのVR用ゲームの中でもっとも綺麗な部類だといえます。

フォワードレンダラーとディファードレンダラーのより技術的な違いを知りたい場合はこちらから。

Unreal Engine4

Unreal Engine 4.14では他にもVR関連の機能が追加されています。

Precomputed Lighting Scenarios

Unreal Engine4
Unreal Engine4

同じジオメトリ上での複数のライティングセットの事前計算に対応しました。これはVRや建築物のビジュアライゼーションにおいて、可能な限りのパフォーマンスを出しつつ、高いレンダリングクオリティを求める場合、非常に重要です。上記の例は、ディレクショナルライト、スカイライト、スカイボックスがDayScenarioというライティングシナリオに配置し、ストリートライトはNightScenarioに配置したレンダリング結果です。

Landscape Editing in VR

VRエディターの追加機能。VR空間内で、地形のマテリアルをViveなどのモーションコントローラーを使って作り、色を塗ることができるようになりました。Landscape Editing toolsをModesパネルから呼び出し、使うブラシを選択すれば塗り始められます。モーションコントローラーのModifierボタンを押したままにすれば消しゴムのように色を消すことができます。

VR Multiview Support for Mobile (experimental)

既にサポートしているモバイルデバイス上でのMobile Multiviewパスに対応します。Mobile MultiviewはデスクトップにおけるInstanced Stereoと似ていて、CPU上でのステレオレンダリングに最適化されたパスを提供します。

Layer Support for SteamVR and PSVR

SteamVRとPSVRのレイヤーをサポートします。Oculus Rift pluginのStereo Layerコンポーネントと同じように動作します。

VR Loading Movies

Oculus Rift、Gear VR、SteamVR、PSVRで動画の再生をサポートします。レンダリングスレッドで動作するもので、コンテンツのロード時にフレームレートが落ちるのを防いでくれます。

PSVR Support for Multiple Framerate Targets

PSVRでネイティブ90Hzから90Hz、120Hzから120Hzへのリプロジェクションをサポートします。開発者はコンテンツをどちらのフレームレートで動かすかを選択することで、レイテンシーを最小化し、高いフレームレートで動作させることができます。Engineは選択されたフレームレートオプションで制限をかけますが、そのフレームレートを維持するように開発をする必要があります。

(参考)
VR-optimized Forward Renderer Comes to Unreal Engine 4.14, Said to Be 22% Faster – (英語)
http://www.roadtovr.com/unreal-engine-4-14-forward-renderer-vr-optimized-improvements/

UNREAL ENGINE 4.14 RELEASED! -(UNREAL ENGINE blog)- (英語)
https://www.unrealengine.com/blog/unreal-engine-4-14-released

※Mogura VR は、Road to VRとパートナーシップを結んでいます。

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この記事を書いた人

  • あつぽん

    日本でMRシステムの開発に携わった後アメリカへ渡り、VR/MRシステムを企業へ導入するための検討・開発に従事。現在は日本在住。

    人間の能力そのものを拡張させるテクノロジー「ヒューマンオーグメンテーション」のコンセプトに惹かれ、その界隈の動向に強い関心を持っています。その中で実用化フェーズにあるVR/MRの盛り上がりをより広い範囲へわかりやすく伝えていきたいと思っています。

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