移動、アバター…VRゲーム開発の最前線からのノウハウをOculusが一挙紹介 【CEDEC2017】


CEDEC2017にて、Oculus社の井口健治氏が登壇するセッション「VRゲーム開発の最前線から学ぶデザインパターン」が行われました。VRで有効的だがあまり知られていない移動方法などのノウハウについてアナウンスがありました。その内容についてまとめて行きます。

酔いも誘発するベクションとは?

ベクションとは自分は停止しているのに周りのモノが動いているため自分も動いてるように錯覚する現象で、電車に乗っていて隣の車両が動いている時などに起こる現象です。これはVRでも非常に起きやすい現象で酔いも誘発するので、これをうまく制御することでより良いVRコンテンツに仕上げることができます。

移動する際は等速直線運動が理想的で、加速をする動きなどはベクションにつながります。また予期しない方向への移動も好ましくなく、頭の向きや手で進行方向を自発的に決められるといいとのこと。移動する際に視界の周囲の部分を暗くするのも重要で、人間の目は視野の端の方が動きに敏感なためそこへの刺激を減らすことができます。それが酔いに対して非常に効果があるとのことです。

ポジショントラッキングに応じてゲームシステムを改善する


ポジショントラッキングの範囲は平均で1.8mから2.0m四方で、それに合わせたゲームデザインにする必要があります。また、Oculus RiftではHMDのトラッキングの起点を目線の位置と床の位置に指定することができます。起点を床の位置にすると身長を生かしたシステムが作れるが、ユーザーによって差が出てしまう。目線の位置を起点にするとユーザーに一定の体験をさせることができる。戦闘機のコクピットや車の運転席に座らせるといった際には適しているが、現実空間とのずれを感じてしまうため歩かせることなどは難しい。作りたいゲームに応じて設定していくといいとのことでした。

動くユーザーに対してのガイドも必要となります。頭が3Dモデルなどにめり込んでしまう問題は暗転させることで解決できるが、近づくにつれて徐々に暗転させることでさらにユーザーにストレスなく伝えることができる。また、ユーザーによってポジショントラッキングの範囲が違うことや、センサーの位置が違うことなども考慮してシステムを組むことが大切です。180度のトラッキングであれば前方を指定した方がユーザーには優しい。しかし360度のトラッキングをしている場合は無理に前方を指定するのではなく、ユーザーに前方を自発的に設定させるようなシステムの方がユーザーにはストレスがない、とのことです。

VR空間での化身であるアバターは挙動が重要に


ユーザーの化身となるアバターのシステムが実装されているゲームは増えていますが、それに関してのコメントもありました。自分ではなく相手の動きを表現するマルチプレイヤーアバターであれば細かい挙動等は特に気になりません。多少ずれていてもある程度の動きさえ合っていればそれらしく見えるため、あまり厳格に設定を行わなくてもいいようです。

自分のアバターを設定する場合は現実の動きに合わせて厳密に動きを設定する必要があります。特に手の位置に関しては、手の甲側から見た時と手のひらから見た時で位置のずれを感じることが多いとのこと。これによってOculus Storeの申請時に却下されることが多く、改善してほしいということでした。

また、銃などの持ち方が決まっているものに関しては掴むときに最適な位置に自動的に持ち変えるようなシステムにするのがベストです。銃身を掴んでしまったりしてすぐに使えないなどとなるとユーザーにはストレスになります。

手やモノを掴む挙動はOculus Storeで配信中のタイトル『Lone Echo』や『Killing Floor: Incursion』が非常に参考になるという紹介もありました。

Gear VRコントローラーの性能とは?


今年5月に発売されたもモバイルVRヘッドセットGear VRのためのコントローラーに関しては、Nintendo Wiiのコントローラーに近いものだと語っていました。今後発売のGear VRには付属しますがまだ流通数も多くないため、あくまでGear VR内蔵のタッチパッドでも操作できるようにしておくのがベストです。Gear VRコントローラーは非対応のゲームでもタッチパッドとして認識して利用することができます。

また開発者向けのリンク集が紹介されました。現在Oculus StoreではOculus Rift用のゲームが500タイトル、Gear VR向けのゲームが700タイトルほどリリースされています。最近でも『Rez Infinite』、『Airtone』など日本製のVRゲームも増えてきています。国内からもさらなるコンテンツ配信があれば嬉しいと期待を込めてセッションを締めくくりました。

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この記事を書いた人

  • VRで大好きな初音ミクと出会うことを夢見る大学生。ネットワークを専攻してますが、VRアプリをつくっちゃったりしてます。製作者以外の目線をVRに向けることで新たな世界が見えるのではと思いライターをやらせていただいております。

    Twitter:@yamashin0429