2月27日、スマートフォンや家電を製造・販売する中国のXiaomi(シャオミ)は、スマートフォンにワイヤレスで接続するARグラスのプロトタイプを公開しました。
YouTube公開も
今回発表されたプロトタイプは「Xiaomi Wireless AR Glass Discovery Edition」と呼ばれるもの。2月27日開催のテクノロジー見本市「Mobile World Congress(MWC)」で発表され、公式YouTubeでは動画も公開されています。
Meta Quest等と同じ「XR2 Gen 1」チップでワイヤレスを実現
Xiaomiは「完成形のスペックとは異なる可能性がある」と前置きしつつ、いくつかのスペック詳細を明らかにしました。
チップはクアルコムの「Snapdragon XR2 Gen 1」を搭載し、マイクロOLEDディスプレイレンズの解像度は58PPDです。視野角(FOV)は未発表ですが、自由形状の導光プリズムは「光の損失を最小限に抑え、最大1,200nitの目の明るさでクリアで明るい画像を生成する」と紹介されました。また没入感のある体験を提供する「ブラックアウトモード」機能も有している、とのこと。
ワイヤレスでスマートフォンに接続できるため、入力は基本的にスマートフォンベースのタッチコントロールを想定していますが、ハンドトラッキングも可能となっています。
YouTubeの動画では、手のひらからレーザービームが放たれるような表現を確認できます。このビームをポインターとして使用し、指のピンチ動作で、AR上のウィンドウを“つかんで”移動させるようです。なお、遅延は50msとされています。
本体は126gで軽量
「Xiaomi Wireless AR Glass Discovery Edition」は前面に3つのカメラを有しますが、重量は126gと軽量。Xiaomiによれば「炭素繊維、マグネシウム合金などの軽量素材と、一般的なリチウムイオン電池よりも小さい自社開発のシリコン酸素アノード電池を使用することで、重量を低く抑えることができた」とのこと。なお、前面カメラはユーザーの環境をマッピングするために使用されるもようです。
また、3サイズのノーズピースや、近視のユーザー向けに取り外し可能なメガネクリップも用意される予定です。
バッテリーとストレージに改善余地あり?
米メディアXDA Portalはメディア関係者の中で唯一、本プロトタイプを実際に試しており「ほぼ製品版に近い高性能な、今までにないワイヤレスARグラス」と評価しています。
一方で30分間のデモ途中でも充電を要した点、ARグラス本体にストレージが無いため、ARコンテンツ再生には対応スマートフォンが必要である点を課題として指摘しています。
(参考)UploadVR、XDA Portal
Mogura VRはUploadVRのパートナーメディアです。