2019年現在、VTuber(バーチャルユーチューバー)は国内において7,000名を超えることが発表されました(株式会社ユーザーローカル調べ)。ネットのみならず、バーチャルタレントとしてイベントやテレビ出演の機会も増え、ドラマ「四月一日さん家の」ではVTuberをキャストに採用するなど新たなチャレンジも行われるようになりました。
一方で海外に目を向けると国や言語によって事情は異なり、独自の文化が形成されています。例えば写真共有SNSのInstagramでは「バーチャルイスタグラマー」が多くのフォロワーを獲得し、新たなファッションアイコンとして認識されようとしています。また、中国圏では動画配信サイトのbilibiliにおいてVTuberへの注目が高まっており、日本のVTuberだけでなく、中国内でプロデュースされたVTuberも増えています。
日本と海外のVTuber国際交流イベント「V-To World」も開催され、少しずつ世界の距離が縮まりつつあるVTuber界隈ですが、まだ知られていないことは多くあります。この記事では、海外のVTuberおよびそれに準ずるバーチャルタレントをピックアップし、活動や経緯を紹介していきます。
Lil Miquela(リル・ミケーラ)
リル・ミケーラさんはSNS「Instagram」にて写真投稿を行う架空の「バーチャルインスタグラマー」です。150万のフォロワーを持つインフルエンサーとしてプラダなど有名ファッションブランドのモデルを行うだけでなく、アーティストとしてオリジナル楽曲も配信しています。国内のVTuberとは明確に違う方向性を示していますが、バーチャル上のタレントとして、いま世界に影響を与えている人物です。他にもバーチャルインスタグラマーとして、Shuduさん、Bermudaisbaeさん、BLAWKOさんなどが活動をしています。
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陆婉莹(リク・エンエイ)
リク・エンエイさんは海外特化型のバーチャルタレント専門事務所WINKS(日本では2019年3月に解散)に所属していた、“神”を名乗る上海出身のVTuberです。日中2カ国語を話すバイリンガルで、中国のVTuber文化に関する番組「ぼくの考えた最強の中国Vtuber」では先生役と翻訳を担当しました。bilibiliを中心に活動をする他、織田信姫さんとのライブ配信など日本のVTuberともコラボを行っています。また、3月にはbilibiliにて3Dモデルのお披露目も行われました。
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Jabberwocky Malice(ジャバウォッキー・マリス)
ジャバウォッキー・マリスさんは旧WINKSに所属していたイギリス出身のVTuberです。これまでWINKSにて配信を行ってきましたが、4月に自身が174万人のチャンネル登録者を持つYouTuber「Venus Angelic」さんであることを明かし、VTuberとして活動していくことを宣言しました。今後はバーチャルアイドルとして歌などの配信を行う予定です。
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・YouTubeチャンネル(旧WINKSアカウント)
・YouTubeチャンネル(Venus Angelicアカウント)
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DD(でぃーでぃー)
DDさんは、中国語で弟の意味の「弟弟(didi)」から名付けられたVTuberです。YouTubeやbilibiliで配信を行い、日本では中国の文化紹介を行うなどの活動をVTuberブーム初期から行ってきました。中国圏のSNS「weibo(ウェイボー)」のフォロワー数100万人を目標に活動をして来ましたが、年内に達成しなかったため2018年12月に“爆破”されたものの、2019年3月に復活を果たし、現在は日本でホームステイ中の動画が公開されています。
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JJ(じぇーじぇー)
JJさんは、DDさんの姉としてこれまで動画に声のみの出演をしてきましたが、10月よりバーチャルボーカリストとしてデビューを果たしました。DDさん同様、“お姉ちゃん”を意味する「姐姐(jiejie)」から名付けられています。歌ってみたでは、日本の楽曲だけではなく中国のボカロ曲も披露しています。(なお、JJさんはDDさんを爆破した張本人です)
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Maya Putri(マヤ・プトゥリ)
マヤ・プトゥリさんは2018年8月より活動を開始した、インドネシアの歌姫を目指すVTuberです。主に歌ってみたを中心に活動しており、日本とインドネシアの楽曲カバーを披露しています。アジアの大規模アニメイベント「Anime Festival Asia」では、キズナアイさん、電脳少女シロさんとともに出演し、インドネシアから多くのファンを獲得しました。
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Ami Yamato(アミ・ヤマト)
アミ・ヤマトさんは、キズナアイさんが活動を開始するより前の2011年から活動を行っている日本生まれイギリス育ちのVTuberです。実写の中にCGを溶け込ませるスタイルの動画を投稿しており、リアルイベントや実在する人物とのトークを違和感なく行うクオリティの高さを見せています。また、東日本大震災のときにはいち早く日本語でメッセージを発信しました。
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ReVdol!(リブドル!)
こちらはVTuberというよりバーチャルアイドル寄りの「リブドル!」。中国発のリアルタイム育成型バーチャルアイドルプロジェクトで、メッセンジャーアプリ「WeChat」と連動し、ファンの投票で5名のアイドルのストーリーが大きく変わるのが特徴です。シーズン2では投票で選ばれなかったメンバーと謎のアイドルが新グループを結成するなど、新たな展開を見せています。中国語での歌とキレのあるダンスで高い実力を見せる他、bilibliでは毎週生配信を行っています。翻訳や公式Twitterなど、日本語でのサポートも手厚く行われています。
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・YouTubeチャンネル(Happy Elements Asia Pacific)
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洛天依(ルォ・テンイ)
ルォ・テンイさんは厳密にはVTuberではなく中国語のVOCALOIDキャラクターですが、中国圏のバーチャル文化に欠かすことができないため、ここで紹介します。ルォ・テンイさんはリアルモーションキャプチャーとホログラム技術を活用したライブを開催しており、薛之謙(ジャッキー・シュエ)さんなど、現実のアーティストとステージでの共演を果たしています。また、ファッションブランドFR2とのコラボも行っています。
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