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業界動向 2018.11.19

VRデバイス不要のVRシステムを目指す提携、ファーウェイのARヘッドセット投入計画 – 週間振り返りVR/AR/MRニュース

11月も半ばを過ぎつつある第3週もまた、多数の新情報や発表が報じられました。引き続きVR/AR/MR関連ではハードウェアや映像技術への関心が各社とも高く、中でもデバイスを利用せずVR環境を体験する完全没入型のシステムに向けた企業提携が大きな話題となりました。米国の3D映像ディスプレイを手がけるスタートアップと、ハイエンドなグラフィック技術を専門とした企業が協力関係を結び、その実現を目指しています。

デバイス分野では巨大なゲームプラットフォーム・Steamを運営するValve社によるVRヘッドセットのプロトタイプ画像が流出し、その真贋も含めてユーザーから注目されています。

また、中国を中心に展開する通信機器メーカー・ファーウェイ(Huawei)による1~2年以内のARヘッドセットの一般販売計画も明かされ、他社の動向と合わせて2019年から2020年にかけて、ARヘッドセット/ARグラスの本格的な展開がスタートするものと見込まれています。

本記事では、先週Mogura VRで掲載したニュースから注目記事をピックアップ。VR/AR/MRの「いま」を、皆さんにギュッと縮めてお届けします。

デバイス不要の完全没入型VRシステム 環境が動きに反応して変化

VRヘッドセットを使わずに、VRにいるように感じさせる技術は研究が続いています。SFシリーズ「スター・トレック」に登場した「ホロデッキ」のようなVR環境の開発に向けて、米企業がパートナーシップ提携を行いました。

サンノゼに所在の3D映像ディスプレイを手がけるスタートアップLight Field Labと、LAを拠点としクラウドベースのハイエンドグラフィック技術を専門とするOTOYがタッグを組み「ホロデッキ」の実現へと向けて乗り出しています。

「スター・トレック」の「ホロデッキ」は、VRヘッドセットや3D眼鏡などのデバイスを装着せずに、完全没入型のVR(バーチャルリアリティ)世界を体験する仮想空間です。このアイデアは、テクノロジーの世界では長年の夢とされてきました。今回のプロジェクトの目的は、3D映像を映し出すだけでなく、「ホロデッキ」のように、ユーザーの動作に合わせて3D映像が移動したり変化したり、触ることをも可能にさせることだといいます。

Valve社のVRヘッドセットのプロトタイプと見られる画像が流出、その真偽は?

世界最大のPCゲーム配信プラットフォームSteamを運営するValve社。同社オリジナル製品と見られるVRヘッドセットの画像がインターネット上に流出し、その真偽も含めて注目を集めています。

ハードウェアの特徴が挙げられる中、製造メーカーを示すマーキング等は見当たりません。現在はまだ非常に初期の開発者向けキット、あるいはプロトタイプ、という段階であることも予想されます。

ファーウェイ、1,2年以内にARヘッドセットの市場投入を計画

中国の通信機器メーカーとして知られるファーウェイ(Huawei)は、2019年から2020年にかけてARヘッドセットの一般発売を計画していることを明らかにしました。中国のみならず、世界の通信端末市場で大きな位置を占める同社の動向に注目が集まっています。

今回のARヘッドセットに関する計画は、米メディアCNBCによる同社CEOリチャード・ユー氏のインタビューにて明らかになりました。ファーウェイのARに関する言及は今回初となります。

リチャード・ユー氏は、ARが同社が関心を持っている非常に大きな次世代分野だと発言し、ARグラスのような形で現実のものとなるだろう、という見解を示しました。さらに「次の1、2年で、この業界では(ARグラスが)一般発売されるでしょう。それはファーウェイにとっても同じことです。我々はより良いユーザーエクスペリエンスを提供する製品を投入します」とコメントし、その意気込みをのぞかせました。

キレのあるダンスに熱狂、月間1億人がプレイする「LoL」のキャラたちが世界大会でARライブ

11月3日、韓国仁川(インチョン)で開催された2018年のリーグ・オブ・レジェンド(LoL)」世界大会決勝戦オープニングセレモニーで、ライブパフォーマンスと一緒に、ゲーム内に登場するキャラクターたちが結成するバーチャルK-popグループ「K/DA」が、キレのある歌とダンスを披露しました。米ゲーム会社ライアットゲームスが運営する本作は、世界的に有名なマルチプレイオンライン対戦ゲームで、人気のあるeスポーツタイトルとして知られています。

「K/DA」は、このゲームに登場するキャラクター、アーリ、アカリ、イブリン、カイ=サの4名で構成される女性バーチャルグループです。今回のオープニングセレモニーでは、K-popガールズグループ(G)I-dleのミヨンとソヨン、米女性シンガーのMadison Beer、Jaira Burnsと共演して「K/DA」の楽曲「POP/STAR」のパフォーマンスを行いました。

「K/DA」の出演は肉眼では見ることができないものの、ステージ上の巨大スクリーンと公式ライブストリーム上で配信され、観客を沸かせました。

日本の“VTuber現象”テーマの海外ドキュメンタリーが公開

日本を題材とした映像作品を配信するArchipelは、日本のVTuber(バーチャルユーチューバー)文化をテーマにした海外向けドキュメンタリー番組Binary Skin – Exploring Japan’s Virtual YouTuber phenomenonを公開しました。YouTubeにて全編が視聴可能です。

番組ではVTuberのトップランナーとして知られるキズナアイさんをはじめ、Activ8代表の大坂武史氏、GREE VR Studio Labディレクターの白井暁彦氏、VTuberのファンとしてLOSEBAIT氏、およびMogura VR副編集長・永井良友がインタビューに答えています。

輝夜月×Mika Pikazo氏所属の「THE MOON STUDIO」始動!「輝夜月に続く新人タレント」募集開始、VRをテーマにした“物語展開”も

2018年8月にライブビューイング含め5,000人を動員したVRライブを行い、YouTubeチャンネル登録数86万人を超える人気VTuber(バーチャルYouTuber)輝夜月(かぐや るな)。今回、輝夜月と彼女のキャラクターデザイン・アートディレクションを手がけるイラストレーターMika Pikazo氏が所属する、クリエイティブスタジオ「THE MOON STUDIO」の発足が発表されました。

「THE MOON STUDIO」は、輝夜月に続くバーチャルタレントの育成や、仮想世界をテーマとした様々なクリエイティブプロジェクトを「分野を問わずバラエティ豊かなパートナーたちと共に協力して展開していく」としています。


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