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AR/MR 2018.11.15

ファーウェイ、1,2年以内にARヘッドセットの市場投入を計画

中国の通信機器メーカーとして知られるファーウェイ(Huawei)は、2019年から2020年にかけてARヘッドセットの一般発売を計画していることを明らかにしました。中国のみならず、世界の通信端末市場で大きな位置を占める同社の動向に注目が集まっています。

急成長を続けるファーウェイ、欧米を射程に入れる

1987年の設立以後、ファーウェイは急成長を続けています。2018年第2四半期における全世界でのスマートフォン出荷台数では、iPhoneを提供するアップルを抜いて2位となりました(IDCによる調査)。1位のサムスンと同様にファーウェイはスマートフォンやタブレット、ウェアラブル端末などを次々と発売しており、急激にその規模を拡大しています。

市場はアジア圏が中心であり、欧米で高いシェアを獲得しているサムスンとは展開が異なります。しかし、最近は高機能でプレミアムなスマートフォンモデルの投入を開始しており、欧米市場への本格参入も時間の問題と考えられます。

ARへの取り組みを明言

ファーウェイはこれまでにも、VRに関する製品を2017年より発売しています。スマートフォンを使ったタイプで、GoogleのDaydreamに対応したものや同社の独自のモデルも展開。VRに関するクラウドサービスも提供するなど、VRへの取り組みは決して消極的ではありません。

今回のARヘッドセットに関する計画は、米メディアCNBCによる同社CEOリチャード・ユー氏のインタビューにて明らかになりました。ファーウェイのARに関する言及は今回初となります。

リチャード・ユー氏は、ARが同社が関心を持っている非常に大きな次世代分野だと発言し、ARグラスのような形で現実のものとなるだろう、という見解を示しました。「まずはじめに、あなたはARは……何でもないものだと思うかもしれません。しかし、将来においては、今よりもさらに多くの価値があることに気づくでしょう」と話しています。

ユー氏は、まずARを同社の一連のスマートフォンで実現することを考えていると述べています。スマートフォンのARを通して、ユーザーはインタラクティブな体験やゲーム、サービスを通じてARに順応すると主張しました。

「次の1、2年で、この業界では(ARグラスが)一般発売されるでしょう。それはファーウェイにとっても同じことです。我々はより良いユーザーエクスペリエンスを提供する製品を投入します」とコメントし、その意気込みをのぞかせました。

スマートフォンメーカーが狙うARグラス

すでにスマートフォン出荷台数1位のサムスンと3位のアップルは、ARへの取り組みを明らかにしています。アップルはiPhoneやiPad向けのARプラットフォーム「ARKit」をすでに2017年から展開しています。また、公式発表ではありませんが、2020年にARグラスの発売を目指しているとの観測も報告されており、実際にアップルはAR技術に関連する企業の買収をたびたび行っています。

一方のサムスンも2018年11月のイベントにて実験的なARデバイスを公開し、開発者向けに開発ツールの提供を発表しています。「SXR SDK」と呼ばれるツールは、Gear VR向けのSDKとAndroidのARCore向けのSDKを融合したものです。

これらの動向から、2019、2020年に向けて、スマートフォンメーカーによるARデバイスの開発が本格化することは間違いないと言えそうです。

(参考)Road to VR


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