2022年7月19日、モーションキャプチャー技術を手掛けるVicon Motion Systemsは、フラッグシップカメラシリーズ「Valkyrie」を発表しました。Vicon製品を国内販売しているクレッセントによれば、販売価格は約650万円(※暫定)からとなっています。
4つのモデルで幅広い用途をサポート
「Valkyrie」は「VK26」「VK16」「VK8」「VKX」の性能の異なる4つのモデルで構成されます。「VK26」「VK16」「VK8」のVKの後の数字はカメラの画素数(メガピクセル、MP)を表しています。それぞれのモデルの特徴は以下の通りです。
- VK26:画素数26MP、フレームレート150fpsのフラッグシップモデル。バーチャルプロダクションやインカメラVFXなど要求精度の高いアプリケーションに適しています。
- VK16:画素数16MP、フレームレート300fpsのモデル。複雑な生体力学のモデリングやエンジニアリングのユースケースのために設計されています。アスリートやドローンなど動きの速い被写体に最適です。
- VK8:画素数8MP、フレームレート500fpsのエントリーポイントのモデル。速く動くアスリートやオブジェクト(ゴルフボールなど)を撮影できます。
- VKX:画素数7.2MP、フレームレート380fpsのアクティブLEDマーカーに対応したモデル。応答性の高いVRアプリケーション、バーチャルプロダクション、仮想空間で映像制作を行うバーチャルスカウト向けに作られています。
共通の機能として画素を間引いて撮影したり、撮像範囲を狭くすることで撮影フレームレートをネイティブフレームレートの最大500fpsから最大2000fpsまで上げられます。また、新しくカスタマイズした可変焦点レンズにより、広い範囲で精度良くキャプチャできるだけでなく、撮影視野の広さを変更できます。カメラ内でデータ処理を開始することで低遅延を実現しています。
モデル |
VK26 |
VK16 |
VK8 |
VKX |
Vantage+ V16 |
フレームレート |
150fps |
300fps |
500fps |
380fps |
120fps |
画素数 |
26.2MP |
16.1MP |
8.0MP |
7.2MP |
16.8MP |
画角(広画角モード) |
72°×72° |
72°×56° |
72°×42° |
68°×66° |
54.2°×54.2° |
画角(狭画角モード) |
54°×54° |
54°×41° |
54°×30° |
54°×54° |
– |
IP65 |
対応 |
対応 |
対応 |
非対応 |
– |
モーションキャプチャの手間を削減
「Valkyrie」ではモーションキャプチャのオペレータの負担を軽減するために様々な機能が利用できます。「Valkyrie」はデバイスの温度と位置を監視し、カメラの位置がずれると、自動で校正し、最小限のオペレーターの操作で撮影できるようにします。
また、精度が低いモーションキャプチャのデータにはノイズが含まれており、利用するためにデータをさらに処理して綺麗にする必要があります。しかし、「Valkyrie」ではクリーンアップの必要なくモーションキャプチャーデータを利用できるとしています。これらの機能により、Viconの顧客は技術の問題に煩わされることなく、顧客の業務に集中できます。