Home » トヨタがHoloLens 2を順次導入、自動車整備の効率化やトレーニングに活用


活用事例 2020.10.07

トヨタがHoloLens 2を順次導入、自動車整備の効率化やトレーニングに活用

日本マイクロソフト株式会社は、MRデバイス「HoloLens 2」をトヨタ自動車株式会社のGR Garage全国56店舗に2020年10月より順次導入することを発表しました。自動車整備作業の効率化やトレーニングで活用が開始されています。

トヨタでは、2019年5月に自動車の修理・点検業務においてMRおよびHoloLens 2活用に向けた検証を発表していました。今回の全国のGR GarageへのHoloLens 2の導入は、本取り組みが発展した形です。

今回のGR Garageでは、以下の4つの機能が活用されます。

MRを用いた配線図・艤装図


(左:従来の平面の艤装図、右:実車に重ね合わせて表示した立体的な艤装図)

従来のマニュアルでは解りづらかった部品やコネクタの配置などの配線や艤装に関する情報を、HoloLens 2を活用することで立体的に表示。実車に重ね合わせて表示することで、正確な位置を直感的に理解しやすくします。また、品番や品名、回路図などの必要な情報を一括的に表示し、正確で効率的な作業ができるよう支援します。

MRを用いた新型車機能解説

自動車の複雑な機能や通常は目には見えない空力の様子などを、3Dモデルとして車体に重ね合わせて表示し、稼働状態などをアニメーションで確認します。整備士は車両を見ながら、より分かりやすく直感的に学習可能です。

上記の画像では、新たな機能「Azure Object Anchors」が利用されています。従来はホログラム表示の位置を特定するためには、QRコードなどのマーカーや手動による位置合わせが必要でしたが、本サービスを用いることで、HoloLens 2が実空間の車両の位置を自動検出し、3Dモデルを車両に重ね合わせた位置で正確に表示することが可能になります。

作業手順ガイド・トレーニング

自動車に3Dモデルを重ねて表示することで、自動車のパーツや用品の取り付け手順のトレーニングや実際の作業時の作業ガイドとして使用することができます。こちらは、汎用的な Microsoft Dynamics 365 Guidesが活用されており、プログラミングが不要なため、販売店でも独自の教材を簡単に作成できるとのことです。

遠隔地とのコミュニケーション支援


(遠隔地とのコミュニケーションの様子)

トヨタの販売店では、オフィスにいる従業員と現場の整備士とのコミュニケーション促進のため、HoloLens 2にMicrosoft Dynamics 365 Remote Assist が導入されました。HoloLens 2を着用した整備士は、自身の視点の映像を遠隔地にいる販売店本社の従業員のMicrosoft Teams上にリアルタイムに表示して会話。矢印やインクなどのアノテーション機能によって現実の空間内に書き込むといった動作も行えます。

(参考)日本マイクロソフト


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード