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新しい技術であることを言い訳にしない――集英社と共同でXR組織を立ち上げた「THINK AND SENSE」インタビュー

「Pokémon GO AR展望台」や「AR Roppongi×Ingress」などをはじめとする、XR技術を活用した作品を打ち出すテクノロジカル・クリエイティブファームTHINK AND SENSE。直近では「週間少年ジャンプ」などで広く知られる集英社とタッグを組んでXR組織「集英社XR」を立ち上げ、ナイアンティックとパートナーシップを締結。今まさに波に乗っているチームだと言っていいだろう。

今回はTHINK AND SENSEのリーダーを務める松山周平氏に、彼らの「現在地」、そしてこれからのXRで求められるクリエイティブについて聞いた。

松山周平/Shuhei Matsuyama
1991年生。ビジュアルアーティスト&プログラマー。株式会社ティーアンドエスではTHINK AND SENSE部の部長を務める。先端技術を活かした展示やアート、インタラクティブなパフォーマンスを得意としており、マイクロソフトのMRデバイス「HoloLens」を活用した「Pokémon GO AR展望台」「AR Roppongi x Ingress」などに携わる。クリエイティブレーベルnor所属。著書に「Visual Thinking with TouchDesigner」がある。

「使ってみよう」から「強度」のフェーズへ

――THINK AND SENSEさんは先日、NianticのAR開発プラットフォーム「Lightship」の開発スタジオパートナーとして集英社さんとの取り組みを発表しました。明確に「XRのクリエイティブを作るチーム」としての状況や在り方が変わってきたように思います。

松山:

自分たちにとって「XRやAIをプロトタイプ的に使ってみよう」的フェーズは一段落した感があります。言わば“飛び道具”のような試作を作る機会が減り、「長く使える、ちゃんと使える」ほうにシフトしてきましたね。扱っている技術もXRだけ、あるいはXR中心というより、目的となる体験を作るためにXRが選ばれる、という時期になってきました。

――技術デモや「特定の場所やイベントでしか体験できない」ものがメインではなくなりつつあると。

松山:

もちろんR&Dは重要ですし、世の中の需要としても確かに存在します。しかしTHINK AND SENSEとしては、例えば一般のお客さん向けのプロダクトは「まあ、イベントのおまけだしこんなもんだよね」と思われてしまうようではダメで。品質や強度をさらに高めていく必要性を強く意識しています。「新しい技術」であることを言い訳にしない姿勢、とでも言えばよいのでしょうか。

――新しい技術が既に「新しくない、知っている技術」になり、「XRを使いたいから作ったプロダクト」がメインストリームである時期が着実に終わりつつあるなかで、どれだけ良いものが出せるか、ということでしょうか。

松山:

いつの世も新しい技術が出てくることには変わりありませんし、それを自分たちのプロダクトに取り入れていこうというスタンスも維持しています。その上でどこまでユーザー体験を磨き込めるか、次のレベルに昇華できるかが一番大事です。新しい技術がもたらす可能性をひとまず掘り下げて示唆する、あるいはほのめかすような形で提示するのがデモですが、その先にある人々の生活を変えたり、彩ったりするような体験に落とし込むにはどうしたらよいのか。それをきちんと考えてプロダクトに活かしていく、ということだと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=vxED1mIpDLM

(THINK AND SENSEが制作した、テックダンスフュージョン集団・CONDENSEの「Break the Bias」のMV。さらに両者が初音ミクとコラボレーションしたプロジェクト「MIKU BREAK」も告知されており、XRのみならず活動の幅を広げている)

そもそもで言うとXRに限らず技術全般がそうだと思います。最初は技術を使う行為自体が面白く感じられるし、自分たちも作っていて楽しいんですよ。しかし技術は次第に使いたいから使うのではなく、発展するにつれて「自然と選択肢に入る」くらいの状況になってくる。業界全体が、と言うと主語が大きすぎますが、少なくとも自分たちはそういうフェーズになってきた。ものづくりも、年を追うごとにどんどん面白くなってきていますね。

――同時に、XRで何か作ることの難易度は明確に上がってきているということでもありますね。

松山:

これは良いことでもあり、困難なことでもあるのですが、即座にアウトプットのイメージがつかない事例が増えてきましたね。前例がないうえにそもそも目指しているゴールに対して取っている手法が正しいのかどうかがまだ分からない、なのでそれを検討するためにまず作ってみる、といった状態です。未開拓の登山ルートを自分たちで切り開くような。未知への挑戦でワクワクするのですが、当然ながら大変な作業です。最初から仕様や作り方が決まっている分野ではないので、使える道具やツール、考え方は全部使い、そのうえで「こうありたい」というプロダクトの方向性を模索していくのが最良だと思っています。

「挑戦するマインド」のメンバーで一緒に練り上げていく

――多くの人に触れてもらうようなものを作る場合、チームの方にもそれ相応の組成や筋肉が要求されると思いますが、その点についてはいかがでしょうか。

松山:

先ほど話したことにつながりますが、組織としてもより総合的に体験を仕上げる力が試されていると感じます。例えばXRの技術でひとつ尖ったことをPoCとして見せる場合、それは「PoCです」という建前が存在するわけです。視野角が狭いけどこれはPoCだから、同期がよく切れるけどこれは技術デモだから……と。それはその通りなのですが、一方でそれをそのままお客さんに出してしまうと単純に「体験が悪い」ということになってしまう。コアな価値を考え抜いて、品質や強度、ディテールを作り込んでよい体験を提供する、というところまでいかなくてはいけない。

XRはたびたび「キラーコンテンツがない」あるいは「不足している」と言われますが、強度を持った作品や体験を生み出すには総合力が必要になると思います。技術だけではいけないし、当然技術を無視してもダメです。XRのコンテンツにおいて要求されるレベルは明確に上がってきたので、この辺りのバランスを取りつつ次のステージに向かいたい。そのためにはチャレンジングな傾向が強い、若い世代のメンバーも増やして行こう、という気持ちもありますね。

――いわゆるXR業界は若い人たちが多いように感じますが、THINK AND SENSEさんのチームメンバーは現状どのような年齢層なのでしょうか。

松山:

いまのTHINK AND SENSEは全体で30名弱で、平均を取ると27,28歳前後でしょうか。総合力という意味ではまだまだ伸ばす余地がありますが、デジタルコンテンツネイティブの比率が高いのは強みではないかと思っています。

――20代後半というと、デジタルコンテンツに小中学生の頃からずっと触れている人たちですね。こうしたバックグラウンドは作品制作においても影響が大きいのでしょうか?

松山:

若いクリエイターは日々VRChatのワールド制作やアバターのカスタマイズ、あるいはVJ映像の制作や、趣味のアプリ開発などをしているケースが多くて。彼らは誰に言われるでもなく、楽しいからいろいろ作っているわけですが、それがナチュラルに仕事にも繋がるような世界観を持っている。日常と仕事がシームレスにつながっている人たちの勢いは凄まじいものがあります。一方で自分たちやより年上の世代の持っているスキル、感性は個人レベルでも世代レベルでも差異があるので、うまく“棲み分け”ができているようには感じますね。これは本質的には年齢ではなくマインドの問題だとは思いますが。ただ若い人たちのほうがチャレンジングな傾向があるのは事実でしょうし、そういった熱量をうまく束ねてよいものを作っていけるチームを組織しているつもりです。

例えば「Break the Bias」では、AIでの解析システムやリアルタイム処理のエフェクトを使っています。自分たちの今まで使ったことがない技術で新しいワークフローを構築しているのですが、ガチガチにコミュニケーションを取らずとも、自然とチームメンバー同士でカバーしつつ複数の環境を横断するようなワークフローが作れました。率先してチャレンジする姿勢、よりよいものを作るために技術を掘り下げて提案し合うような姿勢が活きた。結果として、クオリティ面でも制作期間の面でも大きなメリットがありました。

――異なる能力と感覚のある作り手がうまく協働できるような環境になっていると。求められるクリエイティブのレベルが上がってきたという話もありましたが、THINK AND SENSEはメンバーとしてどのような人を求めていますか。あるいは、どのような人がTHINK AND SENSEならより活躍できると思いますか?

松山:

やればやるだけ前に進める環境ではあるので、一緒に高いレベルでクリエイティブを練り上げていける、あるいは形なきものに形を与えていけるような人は一番ウェルカムですね。3DCGのモデラーやアーティスト、Unityエンジニアといった分野で、体験の上限をどんどん追求できる人に来てほしいと考えています。もちろん、こうした体験の追求と制作が「既にできる人」だけでなく「今はまだまだかもしれないが、高いレベルの体験を練り上げられるクリエイターになりたい」人にも門は開いています。何よりも挑戦したい人、ですね。

また、自分たちで描いた図や上限に挑めるクリエイターがいるとして、そのクリエイティブの塩梅を見極められる人も大事で。どちらもいないと成立しない。高度なユーザー体験を練り上げられる「テクニカルディレクター×プロデューサー」的な人、とでも言えばいいのでしょうか。技術を取り入れつつ、まだ誰も見たことがないような次のレベルの体験を協働しつつ練り上げたい人、「こうありたい」を形にして追求していきたい人は活躍できる場だと思っています。気になっている方やチャレンジしたい方は、まずは気軽に、でも真剣に(笑)お声がけいただければと思っています。

――ありがとうございました。

(了)

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