ゲーム業界でのリサーチを手掛けるアメリカの調査会社Superdataが、2018年から2022年にかけてのVR/AR/MR市場の成長予測を発表しました。同社によると、2022年のVR/AR/MR市場は、2018年の約66億ドル(約7,000億円)と比較して、442%拡大した約340億ドル(約3.7兆円)規模に達するとのことです。
2018年度の詳細なデータも公表
Superdataは市場予測の他に、2018年第4四半期の詳細なVRヘッドセットの売上データも公開しました。同社の発表によると、ブラックフライデーや年末セールの影響により、機種を問わず、多くのVRヘッドセットが高い販売台数を記録したと推測されています。Superdataは、2018年のVR関連産業の総売上を、前年比約30%増加した、36億ドル(約4,000億円)と発表しました。
機種別2018年第4四半期売上データ
・PlayStation VR(PSVR):70万台
・Oculus Go:55万5千台
・Oculus Rift:13万台
・HTC VIVE:13万台
Superdataは、特に高い販売台数を達成したPlayStation VRについて、セールによる価格低下により、購入に踏み切ったユーザーが多数存在したと評価しました。海外のPSストアで、人気PC向けVRゲーム「Beat Saber」のPS4版が配信開始されたことも、好調の一因であると説明しました。
約55万台の売り上げを達成したOculus Goについては、同VRヘッドセットが低価格(海外販売価格199ドル)であることが、好調の理由であるとSuperdataは指摘しました。
2019年はOculus Questの年か
SuperdataのVR/AR部門を率いる、Stephanie Llamas氏は2019年のVR市場の動向について、以下のようにコメントしています。
「2019年は、Oculus Questが発売されるVR業界にとって重要な1年です。(2019年1月現在主流の)PCや家庭用ゲーム機に接続して使用するタイプのVRヘッドセットは、消費者からの広範な支持を獲得するに至っていません。Oculus Questを始めとする一体型VRヘッドセットは、この流れを変える力を秘めています」。
「アイトラッキング機能を搭載したVIVE Pro Eyeのような、新技術を採用した新型VRデバイスは、主に法人向けのモデルとして居場所を得ることになると思われます」。
収益の大半はゲームから
Superdataは、VR/AR/MR業界すべてに共通する傾向として、ソフトウェア分野の収益の大半が、ゲームソフトによって生み出されていることを指摘しています。Superdataの調査によると、2018年のVR/AR/MR関連ソフトウェアの総売り上げのうち、68%がゲームソフトだったとのことです。